マカオ、違法両替商による銀行員のトレーニング用模擬紙幣使った詐欺事件発生…中国本土から持ち込み

 マカオ司法警察局は10月27日、マカオで違法両替に従事した上、両替相手に対して「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を渡したとして中国本土出身の建設工の男(42)を相当巨額詐欺罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、同月26日午前4時頃、治安警察局からコタイ地区にあるカジノIR(統合型リゾート)併設ホテル内で練功券に絡む事件が発生したとの通知を受け、捜査員を現場へ急行させ、通報者と接触。通報者は25日にマカオ入りした後、カジノでプレイするため20万香港ドル(日本円換算:約380万円)を両替しようとチャットアプリのグループを通じて両替相手と連絡を取り、このホテル客室で会って両替をすることになったが、相手の指定先へ人民元を入金した後、相手から渡された20万香港ドル分の紙幣を確認したところ、紙幣に練功券の文字があったため、すぐに相手を取り押さえ、警察に通報するに至ったと説明したという。

 その後の警察の調べで、被疑者の所持品の中から300枚の練功券を発見。被疑者は警察の調べに対し、練功券は珠海(中国広東省)で見知らぬ男から手に入れたもので、この男の指示に従って相手と取引し、成功した場合に1〜2万人民元(約20〜40万円)の報酬を得られる約束だったが、練功券のことはよく知らないなどと供述したとのこと。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。しかしながら、マカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生している。

マカオ司法警察局(資料)=本紙撮影

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