マカオ警察、模擬紙幣絡みの詐欺に対する防犯及び取り締まり強化

 マカオ司法警察局は11月23日、近年マカオのカジノ施設及び周辺において「練功券」と呼ばれる香港ドルの模擬紙幣に絡む詐欺事件がしばしば発生し、巨額の金銭の損失につながっているとし、これを食い止めるため、同局として防犯及び取り締まりを強化して臨んでいることを明らかにした。

 同局によれば、今年(2023年)11月に入って以降、練功券絡みの詐欺事件が急増しており、同月1〜22日までの摘発件数は19件、逮捕者数は21人、被害総額は約360万パタカ(日本円換算:約6692万円)に上ったとのこと。全員について検察院送致済みで、各事案に対する突っ込んだ捜査を進めるとともに、中国本土の警察当局へ通報し、関係者の追跡を要請しているという。

 防犯面でも、カジノ及び周辺におけるパトロールの強化に加え、違法両替で検挙した人物に対するカジノ入場禁止、強制送還、再入境禁止措置を講じ、また旅客に対する防犯プロモーションの展開を進めているとした。

 同局では、今後も社会治安情勢の変化を注視しながら、適宜警務体制を調整し、犯罪抑止と取り締まりに努めるとしている。

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 アフターコロナで社会の正常化が進み、インバウンド旅客数が急回復する一方で、カジノ施設内外においては違法両替商が暗躍し、これにまつわる練功券絡みの詐欺など各種犯罪も増えており、警察当局では換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶との見方を示している。

 なお、練功券は銀行員のトレーニングで使われる模擬指定で、通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。

マカオ司法警察局が模擬紙幣絡みの詐欺に対する防犯及び取り締まり強化(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は7月26日、同局の管轄下にある特警隊が同月27日午前9時から正式にタイパ島北安…
  2.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  3.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun