マカオのカジノで短時間内に約3千万円分の偽造チップ使われる…中国人犯罪グループが関与

 このほどマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設カジノ施設でわずか十数分の間に額面162万香港ドル(日本円換算:約3065万円)分の偽造ゲーミング(カジノ)チップが使われる事件が発生した。(カジノ施設側がマカオ司法警察局に報告した被害額)

 マカオ司法警察局が1月23日に発表した内容によれば、同月20日午後11時頃、ゲーミングテーブルでシフトに就いていたディーラーがチップ置き場の中にある額面1万香港ドル(約19万円)のチップ25枚が偽造であることに気づき、これを使ったとして警備員が男4人の身柄を取り押さえ、同局に通報したとのこと。

 その後、同局の警察官が現場で調査を進めていた際、キャッシャーと呼ばれるチップと現金の交換カウンターで偽造チップを使って両替しようとしていた別の男1人の身柄を確保するに至ったという。

 上述の男5人はいずれも中国人(中国本土居民)で、同一犯罪グループのメンバーとみられるとした。

 なお、今回の事件で使われた偽造チップについて、当該カジノ施設のチップは額面100香港ドルと1万香港ドルのものの色味が似ており、被疑者らは識別タグの付いた本物の100香港ドルのチップの額面を1万香港ドルに”改装”していたとのこと。

 同局がカジノ施設の監視カメラ映像を分析した結果、グループのメンバーは2つのチームに分かれてバカラのゲーミングテーブルで短時間の間に大量の偽造チップを使い、各テーブルで17万香港ドル(約322万円)分、105万香港ドル(約1987万円)分の本物のチップを獲得していたという。

 グループのうち幹部メンバーとみられる数名については、ディーラーが偽造チップに気づき、詳細検査を行っている状況から、露見したとみて10万香港ドル分の本物のチップを持って中国本土へ逃走したが、うち3人が逃走先の広東省珠海市と中山市で中国公安当局により逮捕され、同局では本件に絡む逃走中の人物は少なくとも1人で、その行方を追うとともに、グループの余罪や活動期間、偽造チップの制作方法等について捜査を進めるとした。

 マカオで逮捕に成功した男5人は同局の調べに対し、チップが偽造のものとは知らず、報酬目当てで他人の指示を受けカジノでプレイしたと供述したとのこと。同局は5人を組織犯罪及び相当巨額詐欺罪で検察院送致する方針。

 カジノチップはカジノテーブルでベットする際に使われるツールで、テーブルで額面の異なると両替したり、カジノフロアにあるキャッシャーで容易に額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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