マカオ、カジノ高利貸しが絡む監禁事件が2件相次ぎ発生…中国人の男女7人逮捕

 マカオ司法警察局は1月29日、近日カジノ高利貸しに絡む監禁事件が2件発生し、中国人(中国本土居民)の男女7人を逮捕したと発表。

 1件目は、同月27日正午頃、中国本土に所在の男性からギャンブル目的でマカオに来たガールフレンドと連絡が取れなくなり、高利貸しに監禁されている可能性があるとの通報が寄せられたことがきっかけで発覚したもの。通報を受けた同局が捜査に着手し、女性がマカオ半島の新橋エリアにあるマンションの一室に監禁されていることを突き止め、28日正午頃に現場へ突入して被害者を救出するとともに、現場にいた男4人を逮捕した。

 被害者は同月22日に高利貸しグループと接触し、5万香港ドル(日本円換算:約94万円)を借り、利息として先に3000香港ドル(約5.7万円)、またカジノゲームで勝った際にベット額の2割をそれぞれ支払い、身分証、電話を預けた上、借用書にサインするという条件だったとのこと。この際はベット金額の問題から、借りたチップを高利貸し側に取り戻され、利息を支払うことはなかったが、その後、被害者は25日に再び同様の条件で同額を借り、マカオ半島新口岸地区にあるカジノ施設でギャンブルに興じ、26日夜にすべて負け、返済不能となった後、上述の場所へ38時間にわたって監禁されたという。監禁場所からは被害者が預けた身分証などが見つかり、被疑者は同局の調べに対し、犯行を認める供述をしているとした。

1件目の事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 2件目は28日正午頃、男性からマカオにいる友人男性が借金を返済できず監禁されているとの通報が寄せられたことで発覚。通報を受けた同局が速やかに監禁場所を特定し、コタイ地区にあるホテルの客室で被害者を救出するとともに、現場にいた中国人(中国本土居民)の男1人と女2人の逮捕に成功。

 被害者は24日にコタイ地区で上述の女2人に声をかけられ、女が所属する高利貸しグループからカジノゲームで勝った際にベット額の3割を利息として支払い、身分証の提出と借用書へサインすることを条件に5万香港ドルを借りたとのこと。これについては、25日未明にすべて使い果たしたものの、利息として5万香港ドルを取られた上、きちんと返済したが、27日午後に再び同じ高利貸しから10万香港ドル(約189万円)を借り、28日未明にすべて負け、返済不能となったことから監禁されるに至り、取られた利息の合計は25万香港ドル(約472万円)に上ったという。監禁中の暗闇から友人へ電話を入れて救助を要請し、監禁時間は警察が到着するまで10時間に及んだ。監禁場所からはスタンプ台、被害者の身分証が見つかった。被疑者3人はいずれも同局の調べに対して供述を拒否しているというが、同局では3人が高利貸し及び監禁に関与したことは明らかとした。

 なお、同局は上述の2件について、他に関与した人物が少なくとも2〜3人いるとみており、行方を追っているとのこと。

2件目の事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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