“営業距離世界最短”マカオの松山ロープウェイが5月末まで運休…駅施設更新と定期検査で

 マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイパ線が開通した。このほか、広義の意味での鉄道としては、鋼索線の「松山ロープウェイ(中国語表記: 松山纜車)」が存在し、マカオ市政署(IAM)が管轄している。

 マカオ市政署(IAM)は4月18日、松山ロープウェイの駅舎の一部が老朽化していることを挙げ、駅舎の更新・メンテナンス工事と施設の年次安全検査を並行して実施するため、同月22日から5月31日にかけて運休すると発表。

 具体的な内容については、上下駅の天井、床面、壁面、階段、支柱、防護策、ステップなどのメンテナンス、またキャビンのガイドレールベース及び照明システムの更新も行い、定期検査の対象は施設全体、支塔、ケーブル、キャビン、保護装置などとのこと。

 松山ロープウェイは、マカオがポルトガルから中国に返還される2年前にあたる1997年に営業運転を開始。 マカオ半島北部の旧市街エリアにあるフローラ公園(二龍喉公園)内にある駅と マカオ半島で最も標高の高いギアの丘(松山または東望洋山)の山頂近くにある駅の間を結んでいる。営業距離はわずか186メートルで、ガイドブック等では「世界最短」として紹介されることも多い。

 乗車時間は片道約1分20秒。短い時間だが、眼下には色とりどりの花が咲き、美しい緑が広がるフローラ公園、手前には昔ながらの住宅街、奥には世界遺産が密集する歴史市街地区の美しい景観を望むことができる。ギアの丘にある世界遺産・ギア要塞へのアクセスにも便利とあって、観光客はもちろん、市民の間でも身近なレジャー施設として親しまれている。

 通常の運行時間は午前8時から午後6時までで、毎週月曜日が運休(休日と重なる場合は翌火曜日が運休に)。運賃は片道券が2パタカ(日本円換算:約38円)、往復券が3パタカ(約58円)。

2024年4月22日から5月31日まで駅施設更新と定期検査のため運休となるマカオの松山ロープウェイ(写真:IAM)

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