マカオ税関が中国ボーダーに近い工業ビル内に開設された運び屋への密輸品供給店摘発…活ロブスター約375キロ押収

 澳門海關(マカオ税関)は5月3日、前夜マカオ半島北部・台山エリアにある工業ビル、新城巿工業大廈内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点にあたる店舗1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給店で見つかった活ロブスター(写真:澳門海關)

 税関によれば、情報収集を通じてマークした運び屋への商品供給拠点とみられる場所に対する内偵調査を進める中、2日夜、關閘イミグレーションの出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、活ロブスター2袋(約5キログラム)を所持していたことが判明。男は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアの工業ビル内にある店舗で商品をピックアップし、報酬を得る目的で越境運搬を企図したことを認めたことから、即座に当該店舗に対する摘発を行ったとのこと。

 摘発時、現場には責任者の男1人おり、店内から活ロブスター約375キログラム、市価にして約56万パタカ(日本円換算:約1068万円)相当が発見され、すべて輸出入に必要となる書類を備えていなかったという。

摘発の対象となった運び屋向け密輸品供給店(写真:澳門海關)

 本件に絡む密輸品供給店の責任者の男(41)はマカオ人、運び屋の女(48)はマカオで就労する海外労働者で、店舗の責任者の男が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを行ったとし、上述の2人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、運び屋の女の海外労働者雇用法違反について労工事務局が調査に入り、食材の原産地証明及び検疫申請書類を提示できなかったことについても食品安全行政を管轄する市政署がフォローアップを行うとした。さらに、店舗は財政局による営業許可証なしで営業していた疑いも浮上。

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進めるとした。

調査のため税関本部へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給店の責任者(写真:澳門海關)

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