マカオの2024年11月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が5.5%まで上昇

 マカオ政府金融管理局は1月3日、昨年(2024年)11月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.1%、通知預金が3.7%のそれぞれ増となり、M1は2.6%上昇。また、準通貨負債は0.4%減。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.2%の下落に転じ、金額は7816億マカオパタカ(日本円換算:約15兆3366億円)に。前年同月との比較では、M1が1.7%、M2が7.3%のそれぞれ増。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.1%、香港ドルが45.3%、人民元が6.5%、米ドルが13.8%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高は前月からわずかに下落の7609億マカオパタカ(約14兆9304億円)、非居民による預金残高についても2.8%下落の3082億マカオパタカ(約6兆0475億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高は1.2%上昇の2002億マカオパタカ(約3兆9283億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.5%減の1兆2693億マカオパタカ(約24兆9062億円)で3ヶ月ぶりマイナス。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ20.3%、45.5%、8.2%、24.3%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から横ばいの5186億マカオパタカ(約10兆1760億円)。対外民間部門への融資は3.0%下落の4877億マカオパタカ(約9兆5697億円)。民間部門へ融資額は合計で1.5%減の1兆0063億マカオパタカ(約19兆7456億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ22.4%、45.0%、10.4%、18.4%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は昨年11月末時点で前月末から0.1ポイント下落の54.0%。非マカオ居民含む総体預貸率は0.7ポイント下落の79.3%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ69.9%、56.6%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の5.5%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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