マカオで建設中・設計段階のホテルは14軒、4229室分…2024年4Q

 近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続いている。

 マカオ政府土地工務局は1月24日、昨年第4四半期(2024年10〜12月)時点で建設中のホテルが4軒、設計段階(5年以上更新のないプロジェクト含まず)のものが10軒あり、供給客室数は前者が2928室分、後者が1301室分に上るとする最新データを公表。

 前の四半期(同年第3四半期)/前年同時期との客室数を比較すると、建設中のホテルで変動なし/5.70%減、設計段階で51.81%増/52.88%増に。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

 マカオ政府統計・センサス局の最新資料によれば、昨年12月末時点で営業中のホテル数は前年同時期から4軒増の146軒、客室供給数は7.8%減の4.30万室となっている。(※供給客室数減の主要因は大型ホテルのリノベーション入り)

 昨年12月末時点で営業中の上記数値に建設中及び設計段階の数値を加えると、将来的にホテル数が160軒、客室供給数が約4.72万室となる見込みで、前者が約9.6%増、後者が約9.8%増。

 このほか、昨年内に完成したホテルの数は3軒(マカオ半島2軒、コタイ地区1軒)、新たに供給された客室数は177室とのこと。

 マカオのホテル開発をけん引するのがカジノIR運営会社だ。一昨年1月に新たなカジノ運営コンセッション(10年間)がスタートしており、事業者の顔ぶれは従来と変わらない。すでに着手していた新ホテルのオープンの加え、新コンセッション下で既存ホテルの大規模改修や新設など新たな計画も発表されている。

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IRに加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、コロナ前2019年の年間インバウンド旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。2020年から2022年にかけてコロナ禍でインバウンド旅客数、平均客室稼働率とも低迷を余儀なくされたが、アフターコロナでインバウンド旅客数及び平均ホテル客室稼働率の回復が進んでおり、昨年通期のインバウンド旅客数は前年比23.8%増の3492万8650人、平均ホテル客室稼働率は4.9ポイント上昇の86.4%だった。

統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

【資料】
2024年第4四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:3軒 204室
・設計段階:9軒 1000室
<タイパ島>
・建設中:なし
・設計段階:1軒 301室
<コタイ地区>
・建設中:1軒 2724室
・設計段階:なし
<コロアン島>
・建設中:なし
・設計段階:なし

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