マカオで今年3例目のツツガムシ病感染確認…患者に定期的な中国本土往来歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は6月13日夜、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病感染確認例が1件報告されたと発表。

 患者はマカオ居民の女性(41)で、6月2日に発熱、めまい、頭痛が出現し、私立のクリニックを受診したが、その後も症状が好転せず、21日に公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)を受診し、同院での身体検査で右腹部に豆粒大のかさぶたが1つ確認され、医師が患者の症状、身体検査の結果、臨床治療状況から綜合判断し、ツツガムシ病と臨床診断するに至ったとのこと。目下、患者は入院治療を受けており、容体は落ち着いているとした。

 また、患者はSSMの聞き取り調査に対し、定期的に中国本土にある家との間を往来しており、中国本土の家は草むらに囲まれた環境で、草むらで活動歴があったほか、家中で昆虫に咬まれた後、右腹部に痛みを伴わない腫れを発見したなどと説明。このほか、同住の家族に体調不良は出現しておらず、マカオ滞在中に公園を訪れたり郊外で活動したことはないという。

 マカオでツツガムシ病の感染者が確認されるのは今年3例目で、本件以外の2例については、潜伏期間中の外遊歴がなかった。一昨年のマカオにおけるツツガムシ病感染確認は10例あり、輸入性は2例。昨年は輸入性が1例のみで、マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケースとなっている。

 SSMでは本件を受け、ツツガムシ病はツツガムシ病リケッチアを保有するツツガムシに吸着(刺される)ことによって感染するもので、高温多湿で雑草が生い茂る場所に生息するげっ歯類(ネズミ類)が最も一般的な宿主として知られると紹介した上、公園の草むらや郊外で野外活動を行う際に適切な予防対策を講じるとともに、感染した際には適時に治療を受けるよう呼びかけた。

マカオの公立総合病院として知られる仁伯爵綜合醫院(資料)=2025年2月本紙撮影

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