マカオ、今年9例目の輸入性デング熱感染確認…患者はアジア周遊旅行戻りの13歳男性
- 2025/8/10 10:38
- 社会・政治
マカオ政府衛生局(SSM)は8月9日夜、同日(9日)マカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。マカオにおけるデング熱感染例出現は約1ヶ月ぶりで、今年(2025年)9例目。
今回感染確認された患者はマカオ人の男性(13)で、前月(7月)18日から8月8日にかけて韓国、シンガポール、台湾を周遊する旅行に出かけていた。マカオ到着日の夜に発熱、四肢に発疹が現れたため、すぐ公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の救急外来を受診。同院でSSMの公衆衛生研究所による検査を受け、9日にデング熱2型に感染していることが確認されたとのこと。目下、患者の容体は安定しており、同住者に体調不良は出現していないという。
同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性感染例と判断。患者の自宅(タイパ島に所在するマンション「華寶花園」)及び患者の主な活動地点で緊急的な蚊の駆除を行うとした。
デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が9例。
マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査及び駆除を強化して臨んでいる。
