マカオ、今年10例目の輸入性デング熱感染確認…患者にマレーシア渡航歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月23日、同月22日にマカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。マカオにおけるデング熱感染例出現は約2週間ぶり、今年(2025年)の年初来で10例目。

 今回感染確認された患者はマカオで就労する非マカオ籍の男性(33)で、8月11日から17日にかけてマレーシアへ旅行に出かけていた。マカオへ戻った後の21日に発熱や筋肉痛の症状が現れ、22日に症状が悪化したことから、私立総合病院の鏡湖醫院を受診。この際に受検したデング熱検査の結果が同日明らかとなり、デング熱4型に感染していることが確認されたとのこと。患者は入院治療を受ける予定だが、目下のところ容体は安定しており、同住者の中に体調不良は出現していないという。

 同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性感染例と判断。患者の自宅(マカオ半島・下環地区に所在するマンション「文安大廈」)及び鏡湖醫院周辺で緊急的な蚊の駆除及び蚊の発生源の調査・除去作業を実施とした。

 デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が10例。

 マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査・駆除を強化して臨んでいる。

マカオ外港フェリーターミナルに掲出されている外遊先でのデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=2024年8月本紙撮影

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