ニセiPhone 5Sの路上販売御用―マカオ

マカオ政府税関は7月28日、治安警察局との合同捜査で路上でスマートフォン「iPhone 5S」の商標権を侵害した偽物を販売していた疑いで、同月26日にマカオ北部の祐漢街市付近で中国籍の57歳の男を逮捕したと発表。当局が商品4台を押収し、その後、商標権者代理人による鑑定で偽物であることが正式に確認されている。

税関当局の調べによると、被疑者はマカオへカジノ及びショッピングなど観光目的でマカオを訪れていたというが、マカオで商売を行うため事前に中国国内で当該商品の「仕入れ」を行っていたという。押収されたニセiPhone 5Sは中国本土で760人民元(日本円換算:約12,500円)で購入し、マカオでは1,500パタカ(約19,000円)で販売し、利ざやを稼ごうとしたという。

マカオでは市街中心部や観光地付近で観光目的でマカオを訪れた者による偽ブランド品などの販売が見受けられたが、最近では当局が厳しく監視しているため、別のエリアへ移動しているとみられる。今回の事案が発生した祐漢街市付近は電子部品を扱うショップが多く、人通りも多いエリアであることから、被疑者がニセスマートフォンの販売に適した場所として選択した可能性もある。

当局では市民に対し、街頭で販売している出所不明の商品には手を出さず、必要に応じて税関及び警察に通報するよう呼びかけている。

中華圏ではこういった偽物エレクトロニクス商品のことを「山寨」と呼ぶ。本来の意味は盗賊などが、人里離れた山で立てこもった城塞を指すが、広東省を中心に違法なコピー商品を製造する地下工場のことを指す隠語なり、いわゆる「パクリ商品」を指す単語として使われるようになった。

押収された4台のニセiPhone 5S(写真提供:澳門海關)

押収された4台のニセiPhone 5S(写真提供:澳門海關)

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