香港当局、マカオ大手カジノ仲介業者最大株主の資産を凍結か=資金洗浄疑惑に絡み

マカオのカジノ売上が今年(2014年)6月から6か月連続で前年割れとなっており、中でもVIPカジノの不調が目立つ。そんな中、マカオの大手カジノ仲介業者(ジャンケット)海王広東グループの最大株主とされる張治太氏が香港警察当局により起訴及び資産を凍結されたという。香港の有力紙「サウスチャイナモーニングポスト」が12月11日付中国語電子版で報じた。

2011年6月、英サッカー・プレミアリーグ所属チーム、バーミンガム・シティFCのオーナーとして知られる香港出身の実業家、楊家誠(カーソン・ヨン)氏がマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで逮捕され、今年3月に香港で開かれた裁判で、総額1億米ドル(日本円換算:約120億円)に及ぶ5件の事案に関わったと認定された。この件について、米紙などが資金源がカジノや反社会集団にあると報じている。裁判官は楊家誠氏と張治太氏の間で疑わしい商取引があったと指摘したが、張氏がこの件で起訴されることはなかった。

楊家誠氏と張治太氏が関わったとされる商取引には香港証券取引所上場企業の駿雷国際有限公司(後に海王グループに改名)も含まれる。同社は張治太氏が秘密裏に20%の株式を保有し、最大株主だったとみられる。また、楊家誠氏、張治太氏、前海王グループ会長の連棹鋒氏がパートナーシップを組み、マカオで高リスクなカジノ、香港でカジノクルーズ船への投資などを行っていたとされる。

今年11月末のマカオ紙の報道によると、香港当局が起訴及び資産凍結の対象としたのは、張治太氏及び同氏がコントロールする企業7社とのこと。ただし、この時点で張氏はいかなる起訴も受けておらず、弁護士を雇ったか否かについても明らかにしていなかった。

マカオのカジノマーケットでは、カジノ仲介業の大物がマネーロンダリング調査の対象となったことに大きな関心が集まっている。カジノ仲介業者は、中国本土で顧客を集め、マカオで賭博をするための資金貸し付けや、債務の回収などの業務を行っている。

マカオ政府の資料によると、カジノ仲介業者によりもたらされるカジノ売上は、全体の3分の2にあたる300億米ドル(約3兆5千億円)にも達する。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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