マカオ大型IR工事現場で「ニセ建材」=マカオ税関、納入業者を摘発

マカオ税関は1月28日に記者会見を開き、マカオ・コタイ地区の大型IR(統合型リゾート)施設の建設現場にニセ建材が紛れ込んでいるとの通報を受け、立入検査を実施したところ、有名メーカーのブランド名を模した粗悪な電設資材を発見したことなどを明らかにした。

現場で押収したニセの電設資材は合計1281点、本物の市場価格にしておよそ17万パタカ分(約250万円)にあたるという。押収されたニセ資材には有名ブランド「WEW」や、それに似せた「W.E.W」などの名が刻印されていたというが、本物と比較して材質が薄く、表面にざらつきなどが見受けられたという。こられはエレベーターの配線用に使われる予定だったとされ、配線の破損による電気系統のショートによる火災などの重大事故につながる危険もあったとし、極めて悪質な事案といえる。このIR施設建設現場では使用資材について厳格な基準を設けていたといい、電設資材には「WEW」ブランドの製品を使用することが決められていたという。

税関では、マカオ北区にある納入業者の関係者4人を拘束して詳しい事情を聞いた上、経営者の香港籍の男(66)を工業財産権法、経済違法行為などの疑いで起訴した。この工事現場では、今月初頭に施工業者の変更が行われたといい、新旧業者引き継ぎの隙を狙って粗悪な商品を紛れ込んだ可能性があるとみられている。

コタイ地区はマカオのタイパ島とコロアン島の間を埋め立て造成した場所で、カジノ運営ライセンスを保有する6社による大型IR施設の建設ラッシュが続いている。

ニセ電設資材事件の概要説明を行うマカオ税関報道官=1月28日(写真:澳門海關)

ニセ電設資材事件の概要説明を行うマカオ税関報道官=1月28日(写真:澳門海關)


マカオ税関によるコタイ地区の大型IR施設建設現場への立入検査の様子(写真:澳門海關)

マカオ税関によるコタイ地区の大型IR施設建設現場への立入検査の様子(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun