マカオの19年10月通信統計公表、携帯電話の契約件数下げ止まる…プリペイドSIMが全体の6割強

 マカオ政府統計調査局が11月29日に公表した最新の通信統計によると、マカオの今年(2019年)10月末時点の携帯電話契約数は前年の同じ時期から0.4%増の226万2205件だった。実に人口の約3倍に相当する。昨年第4四半期からマイナスが続いていたが、再び上昇に転じた。

 携帯電話契約数が人口を大幅に上回る背景には、SIMロックフリー端末とプリペイドSIMカードの普及が挙げられる。携帯電話契約件数にはプリペイドSIMカード分も含まれ、10月は61.7%を占めた。マカオの人口は約67万人だが、アジア有数の観光都市として知られる。昨年のインバウンド旅客数は前年から9.8%増の約3580万人で、過去最多を記録した。市内各所にプリペイドSIMカードの自販機が並び、スーパーやコンビニエンスストアの店頭でも容易に購入やチャージをすることができる。

 マカオ、香港、中国本土は同じ中国でありながら、マカオは853、香港は852、中国本土は86という固有の国際電話の国(地域)コード番号を持ち、通信事業社も各地ごとに異なる。中国本土や香港を含む海外からマカオを訪れた旅客が携帯電話を利用する場合、国際ローミング扱いとなり通信料が高額となることから、マカオ到着後にマカオの通信事業社が販売するプリペイドSIMカードを購入することが一般化しているが、プリペイドSIM契約数のマイナスが続いた背景として、無料Wi-Fiスポットの充実が進む中、プリペイドSIMの需要が減少していたことなどが考えられる。

 なお、今年10月末時点のマカオの固定電話契約数は6.6%減の11万7438件、インターネット契約数は7.6%増の58万0015件。10月単月のインターネット総接続時間は24.5%増の1.4億時間、今年1〜10月累計では26.4%増の13.1億時間。

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

マカオのプリペイドSIMカード自販機(資料)—本紙撮影

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