マカオ、新型コロナ無症状感染者数の公表取りやめに…実数把握困難

 中国(本土)では厳格なゼロコロナ政策が堅持されてきたが、今月(12月)7日に当局が大幅な緩和を発表。事実上のウィズコロナへの方針転換となった。

 マカオでも中国に追随して各種防疫策の緩和が進む状況。マカオ政府は12月8日に開催した特別記者会見の中で、防疫措置の緩和によって短期的に人口(約68万人)の5〜8割程度が新型コロナに感染するとする予測を示しており、感染者の増は不可避とみられる中、特に医療崩壊の回避と社会運営の維持を目的としたさまざまな措置が矢継ぎ早に講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは15日、無症状感染者数の公表を14日分から取りやめると発表。中国及びマカオでは防疫措置の調整後、これまで広く行われてきたPCR検査政策についても変更となったことから、多くの無症状感染者がPCR検査を受けておらず、無症状患者の実数の把握ができない状況となっており、前日から中国で無症状感染者数に関するデータはなしとされ、これに倣ったかたちとなる。

 なお、感染確認については、中国における定義で、明瞭な症状と肺炎の兆候ありとしており、マカオでは衛生当局の隔離治療施設の入所分をカウントして公表するとした。この新基準による14日の新規感染確認数は45人だったとのこと。従前の基準で最後に公表された前日(13日)の感染確認数は400人超で、近日は増加傾向が続いていたことから、14日の実際の感染者数は公表数を大きく上回るものとみられる。香港では大規模PCR検査体制を維持しており、14日の感染確認数は1万7080人に上り、このうち市中感染が1万6249人を占めた。

市内複数箇所に設置された新型コロナ感染者コミュニティ治療外来施設のイメージ(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は5月3日、「五・一」労働節ゴールデンウィークを迎え、密航対策として海上及…
  2.  中国本土で5連休となる「五・一」労働節ゴールデンウィーク(GW)はインバウンド旅客のうち7割を中…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  4.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、今年(2025年)4月前半の住宅売…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は5月2日、いわゆる運び屋による密輸行為をターゲットとした水際対策の強化を…

ピックアップ記事

  1.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun