マカオ、19年11月のホテル客室稼働率91.8%…対前年2.2ポイント下落=1〜11月平均も9割超を維持

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 マカオ政府統計調査局発表資料によれば昨年(2018年)通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は前年から9.8%増の延べ(以下同)3580万3663人で、3000万人の大台を5年連続突破するとともに、2年連続で最多記録を更新。今年11月のインバウンド旅客数は前年同月から10.9%減の291万0118人。このうち宿泊を伴う旅客は11.4%減の140万8407人で、同月のインバウンド旅客全体に占める割合は48.4%だった。

 かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、過半数を上回る月も出現している。ただし、春節(旧正月)など大型連休のある月については、日帰り旅客が増大する傾向にあるほか、昨年10月24日の港珠澳大橋の開通で「橋を渡ることが目当て」の旅客が増えたことで、昨年10月以降は14ヶ月連続で日帰り旅客が過半数を上回った。

 マカオ政府統計調査局は12月31日、今年11月のホテル宿泊客関連統計を公表。今年11月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から2.2ポイント下落の91.8%だった。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から2.3ポイント下落の92.9%、4つ星が2.6ポイント下落の91.1%、3つ星が0.8ポイント下落の94.5%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が0.2%減、4つ星ホテルが10.9%減、3つ星ホテルが横ばいだった点も考慮する必要がある。

 今年11月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から5軒増の121軒、供給客室数は同1.7%減の3.81万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の36軒で、供給客室数は全体の64.0%を占める2.44万室。

 今年11月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から2.0%減の116.0万人。主な内訳は中国本土旅客が4.0%減の79.7万人、香港旅客が24.5%増の14.0万人、韓国旅客が5.1%増の4.2万人、台湾旅客が9.6%増の3.7万人、日本旅客が24.5%減の1.5万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.5日に。

 今年1〜11月累計のホテル宿泊客数は前年の同じ時期から1.4%増の1288.2万人、平均客室稼働率は横ばいの90.7%、ホテル宿泊客の平均滞在時間も横ばいの1.5日。宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.1ポイント上昇の71.8%。なお、昨年通期の平均客室稼働率は前年から3.9ポイント上昇の91.1%だった。今年に入って以降で稼働率が90%の大台を割り込んだのは6月、9月、10月のみ。

 マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数はおよそ5万室に達する見込み。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

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