香港、新型コロナ市中感染確認29日連続ゼロ…輸入性は7人=11/6

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月6日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は7人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると29日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者は10月25日から11月4日にかけてパキスタン(アラブ首長国連邦経由)、フィリピン、ネパール、英国、米国(カナダ経由)から空路で香港国際空港へ到着した男女。5人がL452R変異株感染で、2人がウイルス量不足のため変異株の有無を調べる検査ができなかったとのこと。パキスタンから到着の2歳女児、米国から到着の11ヶ月男児を除く5人が新型コロナワクチンを2回接種済み。

 フィリピンから到着した患者2人は、ホームヘルパーとして就労するため入境。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 香港における過去14日間(10月23日〜11月5日)累計の新規感染確認は47人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2368人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月5日(接種開始から254日目)午後8時時点のワクチン接種率は68.8%(1回目の接種完了)、66.0%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は907万9910回、1日あたり接種回数は9567回(7日移動平均値7449回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。市内各所に設けられたコミュニティ接種センターのオープン時間は11月1日から短縮され、1回目の接種の受け付けは11月いっぱいまでとなっている。今後、11日からブースター接種(3回目の接種)が開始予定。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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