中国人ギャンブラーにポーカー人気じわり、バカラ偏重は不変=マカオ・アジアのカジノ

駆け引き要素がなく、結果は運次第、勝負も早いバカラが中国人ギャンブラーに最も人気のカジノゲームとなっている。彼らを主要ターゲットとしたマカオをはじめとしたアジア各地のカジノ施設では、フロアに占めるバカラテーブルの比率が高いのが特徴といえる。

マカオ政府博彩監察協調局が公表している統計では、2014年のマカオの総カジノ売上3515.21億パタカ(日本円換算:5兆3202億円)のうち、実にバカラ売上は90.8%を占める3190.62億パタカ(約4兆8289億円)となっている。

マカオの日刊英字経済紙「マカオビジネスデイリー」は4月13日付紙面でポーカーへの関心が高まっているとするカジノ関係者のコメントを紹介している。マカオのカジノでポーカークラブやトーナメント大会を運営するポーカー・キング・クラブのビジネスダイレクター、ウィンフレッド・ユー氏によると、マカオやアジアのカジノでバカラが主流というのは疑う余地もないが、ここ5年間で高額な賭け金を投じるハイローラーと呼ばれるバカラプレーヤーの一部がポーカー(註:ここで指すポーカーの種類はテキサスホールデムポーカー)に流れる動きが見受けられるようになったとのこと。世界のカジノで開催されるハイローラー向けポーカートーナメント大会についても、マカオのVIP顧客リストをベースにしているという。

しかしながら、上述の統計を参照すると、2014年のマカオのテキサスホールデムポーカーの売上はバカラの1200分の1以下という2.57億パタカ(約39億円)。バカラに次ぐ売上を誇るシックボー(3つのサイコロの出目の大小を当てるゲーム)ですら、約42分の1の75.83億パタカ(約1146億円)にすぎない。バカラ偏重の図式に変化は全く見られないのが現状だ。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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