マカオで18、19人目の新型コロナ感染確認、米国から戻ったマカオ人親子…到着後すぐ隔離で市中に出ず=輸入症例相次ぎ水際対策強化進む中

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月21日深夜及び22日午前(現地時間、以下同)にかけて、新たに2人(第18、19例)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者を確認したと発表。マカオにおける新型コロナの感染確認は累計19人に。

 第18例の患者は米国ニューヨークからマカオへ戻ったマカオ居民(マカオIDカード)保有者の女性(50)。子供3人とともにニューヨークからキャセイパシフィック航空CX845便(座席番号45E)に搭乗し、3月21日午後香港国際空港へ到着。その後、マカオ政府のチャーター車(香港の入境制限強化に伴いマカオ政府が居民のマカオ帰還用に用意したもの。事前登録制)に乗り、港珠澳大橋経由でマカオへ到着した際、入境時の衛生局による検温で発熱が確認されたため、救急車で仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)に搬送。同院で新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)が行われ、同日夜に結果が陽性であることがわかり、感染が確認された。患者は現在、同院の隔離病棟に入院し、治療を受けている。同行の子供3人が密接接触者として隔離下における医学観察のためコロアン島にある公共衛生臨床センターに移送された。

 第19例の患者は、第18例の患者の息子(19)。隔離先で実施した核酸検査の結果が陽性で、感染が確認され、すぐに仁伯爵綜合醫院へ搬送され、同院の隔離病棟で入院治療を受けている。患者は留学生として米国に滞在していたとのこと。3月8日から14日にかけてメキシコを訪れ、18日に米国に戻って以降、特に呼吸器系の自覚症状はなかったと説明しているという。なお、患者の姉と弟の一度目の核酸検査結果は陰性で、48時間後に再検査を実施予定。

 このほか、22日午前に政府指定ホテル「ゴールデン・クラウン・チャイナ」で隔離検疫中のポルトガル国籍のマカオ居民の男性(20)が提出した唾液のサンプルで実施した核酸検査で陽性反応が出たことから、感染疑い例として救急車で搬送され、咽頭スワブ検体を使った再検査の結果を待っているとのこと。

3月21日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 マカオにおける新型コロナの新規感染確認は直近一週間で9人に。内訳は第11例=ポルトガル帰りの韓国人女性(就労ビザ)、第12例=スペインからビジネス目的で来訪のスペイン人男性(旅客)、第13例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性、第14例=インドネシア帰りのインドネシア人女性(就労ビザ)、第15例=フィリピン帰りのフィリピン人男性(就労ビザ)、第16例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性、第17例=インドネシア帰りのインドネシア人男性(第14例の子)、第18例=米国帰りのマカオ居民女性、第19例=米国帰り(メキシコ訪問歴有)の留学生(第18例の子)で、中国以外からの外国からの輸入症例が続いた。3月15日以前については、40日連続で新規感染確認がなかった。

 世界的に流行が拡大する中、政府が輸入例に対する警戒を強めており、17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。近日、水際対策は矢継ぎ早に変更(強化)されており、最新情報の把握が重要となっている。

 政府新型コロナウイルス感染症対策センターは21日午後5時から開催した定例記者会見の中で、欧米とアジアの一部の国で状況が悪化しており、香港についても近日症例が急増しているとし、不要不急の外遊をしないよう呼びかけた。また、香港とマカオの間を往来する人に対する検疫措置導入の可能性も排除しないとした。

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