マカオ、総体犯罪件数7.1%減…カジノ低迷長期化も治安情勢は良好=16年1〜3月期

目下、マカオの月次カジノ売上が今年(2016)4月まで23ヶ月連続で前年割れとなっている。マカオの基幹産業の低迷が長期化する中、地元市民からは治安に与える影響について心配する声も聞かれる。

マカオ保安庁は5月30日、今年第1四半期(1〜3月期)の犯罪統計を公表。総体犯罪件数は前年同期比7.1%減の3333件、送検人数は15.9%増の1394人だった。

犯罪の内訳については、不法監禁及び麻薬密売事案が大幅増だったことにより、暴力犯罪件数が24%増の181件となった。一方で、殺人、誘拐、暴行といった重大暴力犯罪については1件にとどまり、低発生率を維持した。このほか、マカオ及び中国本土の関係諸機関との連携強化に伴い、密航者及びオーバーステイについても7431人と大幅減となった。

黄少澤マカオ保安局長は記者会見の中で、マカオの治安情勢は明確に良化しており、安定を維持しているとの見方を示したほか、これまでのところカジノ低迷が治安に与えるネガティブ影響は見受けられないとコメントした。

昨今のマカオのカジノ売上低迷の背景にはマカオを訪れる大口ギャンブラーの減少があるとされ、高利貸しが借り手を見つけにくい状況の中、これまでよりも表立って活動し、広く集客をしているようだ。また、返済不能に陥った債務者に対する回収も一層厳しさを増していることから、アジトに監禁するなどして返済を迫る行為につながっているものとみられる。

マカオの治安情勢について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=5月30日、マカオ司法警察局コタイ分局(写真:GCS)

マカオの治安情勢について語る黄少澤マカオ保安局長(中央)=5月30日、マカオ司法警察局コタイ分局(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は5月17日、同月16日にコタイ地区のカジノ施設にあるVIPルームを対象に実施し…
  2.  マカオ半島新口岸地区にあるカジノIR(統合型リゾート)サンズマカオ(澳門金沙)がきょう(5月18…
  3.  マカオ司法警察局は5月16日、マカオで商業ビルのレンタル会議室を宝飾品店に偽装し、マカオ人の男性…
  4.  香港金融管理局は5月17日、香港におけるデジタル人民元の実証実験範囲を拡大し、香港の携帯電話番号…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun