マカオ・コロアン島から唐宋代の用火遺跡や清代中後期の工場跡など相次ぎ出土

マカオ政府文化局(ICM)は7月15日、2014年からコロアン島・コロアンヴィレッジの船鋪街にあるサッカー場周辺で実施している発掘調査において、新石器時代後期、青銅器時代、唐宋代、清代中後期といった異なる時代の遺物及び遺跡が相次ぎ出土していたことを明らかにした。

このうち、唐代の陶磁器の破片や火かき棒が出土した唐宋代の用火遺跡は重要性が高いとのこと。マカオの唐宋代に関する史料が少ないことから、人類が居住し、火を使って生活していたことを示す重要な証拠として、歴史の空白を埋めるのに役立つという。

また、サッカー場北側からは清代中後期の工場の遺構がほぼ完全な形で見つかり、高濃度の五酸化リンが残留していたことから、染物業やマッチと関連する工場跡と推測されるとのこと。マカオでこの時代の工場跡が出土したのは初めてのことで、非常に貴重な発見だったとしている。

マカオ政府文化局では、サッカー場周辺には考古学的価値の高い未発掘の遺物、遺跡が多数残されている可能性があるとし、現場を保全しつつ、エリアを拡大して調査を進めていきたい考え。

コロアン島はマカオの最も南に位置する離島で、1864年にポルトガルが占領した。1969年にはタイパ島との間を結ぶ道路が開通したことで、マカオ半島及びタイパ島との陸路の往来が可能となった。現在も他のエリアのような再開発の波にさらされておらず、昔ながらの漁村の街並み、自然豊かなトレッキングコース、ビーチなどを有する風光明媚な観光地として知られる。

コロアン島で見つかった清代中後期の工場跡(写真:ICM)

コロアン島で見つかった清代中後期の工場跡(写真:ICM)

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