マカオ税関が運び屋向け密輸品供給拠点1ヶ所摘発…冷凍鶏もみじ約720kg発見

 澳門海關(マカオ税関)は5月15日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の趨勢に関する情報収集・分析を進めるとともに、取り締まり強化して臨む中、同月14日午後、マカオ半島北部に所在するビル内に開設された運び屋向け商品供給拠点1ヶ所を摘発したと発表。

 マカオ半島北部については、中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近いことから、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘されており、当局が高頻度でパトロールや摘発が行っている。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年5月14日(写真:澳門海關)

 税関によれば、摘発対象となったテナント内には現場責任者の女が1人がおり、中から冷凍鶏もみじ(鶏の足先の部分)約2400キログラム、市価およそ1.8万パタカ(日本円換算:約32万円)相当を発見・押収したとのこと。

 現場責任者の女(45)はマカオ人で、税関ではこの女が運び屋を組織して中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易法の関連規定に基づき行政違反手続きを開始するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報。さらに、営業許可証なしで運営がなされていたとして、財政局がフォローアップを進めるとした。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年5月14日(写真:澳門海關)

 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した一昨年(2023年)の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、冷凍肉類や活ロブスターといった食材と中古スマホやパソコン用のCPUといった電子製品が目立っている。冷凍鶏もみじに関する摘発事案は約1ヶ月ぶり。

 税関では、市民に対して報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう再三の呼びかけを行っており、今後も取り締まり戦略を随時調整しながら全力を挙げて運び屋行為の撲滅に努める考えを示した。

密輸品供給拠点に対する摘発の様子=2025年5月14日(写真:澳門海關)

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は5月15日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の趨勢に関する情報収集・…
  2.  香港旅遊発展局(香港政府観光局)は5月15日、今年4月及び1〜4月累計のインバウンド旅客数(速報…
  3.  マカオ政府統計・センサス局は5月15日、今年第1四半期(2025年1〜3月)の民間建築及び不動産…
  4.  マカオ金融管理局は5月15日、今年(2025年)4月末のマカオ特別行政区の外貨準備高(外匯儲備資…
  5.  このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2025年)1〜4月累計の歳…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun