マカオのカジノライセンス、中華系資本向けに1枠増?

現在、マカオのカジノ経営ライセンスを持つ企業は6社(一部サブライセンス方式)あり、2020-22年にかけて満期を迎える。マカオ政府では、今年中にもカジノ産業に関する中期計画の策定に入る見通しで、ライセンス更新条件や新規ライセンス枠の有無などに注目が集まっている。

香港の日刊紙「明報」が1月22日付電子版で報じた内容によると、このほど香港のリスクコンサルティング会社SVA社が発表した「2015年アジアリスク評価」と題したレポートの中で、マカオ政府は既存6社のライセンスを維持した上で、中華系資本向けに新規ライセンスを1枠分追加するのではないかとする予測を明らかにした。

SVA社では、中華系資本に対する増枠は中国中央の意向を反映したものであるとの見方で、新規参入候補にはジャンケットと呼ばれるカジノ仲介業者が含まれるとした。

マカオのカジノライセンスをめぐる動きでは、2007年に米国ラスベガスのカジノ大手シーザースエンターテイメントが将来的な新規ライセンスを獲得するための橋頭堡としてマカオのゴルフ場を買収した。しかしながら、2013年8月、米国系資本に対する新規ライセンスの発給の見通しがないとの判断に至ったことを理由に同ゴルフ場を売却し、事実上マカオから撤退している。

マカオのカジノ経営は長く一社独占体制が続いてきたが、2002年にライセンスの対外開放が実現し、現在の6社体制となった。6社のうち、純粋な中華系と呼べるのは約40年間マカオのカジノを独占してきたSTDMの後継会社にあたるマカオ系のSJMと香港の建設会社がベースのギャラクシーエンターテインメントの2社。ウィンマカオとサンズチャイナがラスベガスに本拠地を置く米国系、MGMチャイナが米国と香港の合弁、メルコ・クラウン・エンターテインメントはマカオと豪州の合弁。

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  2.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…
  3.  近日、マカオを含む中国華南の珠江デルタ地域では大雨が続いている。  マカオ政府海事・水務局…
  4.  マカオ貿易投資促進局(IPIM)は4月24日、マカオにおけるMICE誘致状況のアップデートを明ら…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun