マカオ税関と広東省武装警察の連携で密航事案摘発…蛇頭1人と密航者7人逮捕

澳門海關(マカオ税関)は3月25日、同月23日未明に木造のモーターボート1隻を捕獲し、広東省武装警察との連携メカニズムを通じて蛇頭1人、密航者7人を逮捕したと発表。

23日午前5時頃、マカオ税関の高速巡視艇がタイパ島の競馬場正面の海域で密航船を発見し、臨検したところ、船に6人が乗っているのを確認。この際、蛇頭1人と密航者3人を逮捕したが、残る2人が海に飛び込み、対岸の広東省側へ逃亡を図ったという。広東省武装警察との連携メカニズムを通じ、逃げた2人は上陸時に逮捕されたとした。また、マカオ側の陸地でこの密航事案に絡むとみられる2人の密航者を発見、逮捕したとのこと。

マカオ税関が逮捕した6人はいずれも中国本土出身で、年齢は23〜56歳、性別は男。税関の調べに対し、蛇頭の男は密航の手配をしていたことを認め、密航希望者から1人あたり200人民元(日本円換算:約3300円)の報酬を得ていたと話しているという。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

マカオ税関が関係機関に送致した蛇頭と密航者(写真:澳門海關)

マカオ税関が関係機関に送致した蛇頭と密航者(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  2.  マカオ政府とカジノ運営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、ギャラクシーエンターテイメントグループ(…
  3.  このほど5月27日から中国本土から香港・マカオへの「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(In…
  4.  マカオの公共放送局でラジオ・テレビ兼営の「澳門廣播電視(略称:TDM)」が5月13日に開局40周…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は5月13日、昨年(2023年)のジョブトレーニング調査結果を公表。 …

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun