マカオ、2020年の輸入総額が前年上回る…コロナ禍も中国本土との往来緩和進んだ年後半に回復、コスメ・スキンケア用品がけん引

 マカオでは世界規模の新型コロナウイルス感染症流行の影響により昨年(2020年)2月頃から経済活動の縮小が続いている。

 ただし、夏場以降は明るい兆しも見えつつある。マカオと中国本土における流行状況が比較的早期に落ち着いたことを受け、7月中旬から段階的に両地の往来制限が緩和されている。9月下旬までに中国本土からマカオへの渡航許可(ビザに相当)の申請、発給が再開されたことでインバウンド旅客が戻り始める中、輸入についても回復傾向が顕著となっている。

 マカオ政府統計調査局は1月29日、昨年12月、第4四半期、通期の商品貿易統計を公表。

 昨年12月の商品輸入総額は前年同月から34.2%増の120.1億マカオパタカ(日本円換算:約1576億円)だった。品目別では、携帯電話、コスメティック・スキンケア用品、ハンドバッグ・財布がそれぞれ2.4倍、96.3%、95.0%増。一方で、カジノ用製品、燃料・潤滑油、携帯電話はそれぞれ73.6%、30.0%減。貨物輸出総額は10.3%増の12.1億マカオパタカ(約159億円)。このうち、マカオ製の商品の輸出は4.5%増の1.7億マカオパタカ(約22億円)。再輸出については11.3%増の10.4億マカオパタカ(約136億円)で、品目別ではダイヤモンド・ダイヤモンド製ネックレスが6.1倍増。12月の商品貿易赤字は108.0億マカオパタカ(約1417億円)。

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

マカオ半島中心部の町並み(資料)-2019年9月、ポンテ16にて本紙撮影

 昨年第4四半期(10〜12月累計)の商品輸入総額は前年同時期から40.2%増の367.6億マカオパタカ(約4824億円)、輸出は13.1%減の29.6億マカオパタカ(約388億円)、貿易赤字は338.0億マカオパタカ(約4436億円)。

 昨年通期(1〜12月累計)の商品輸入総額は前年から2.7%増の925.6億マカオパタカ(約1兆2147億円)、輸出は15.5%減の108.1億マカオパタカ(約1419億円)、貿易赤字は5.7%拡大の817.5億マカオパタカ(約1兆0728億円)。

 昨年通期での主要輸出先内訳は、香港が8.6%減の74.6億マカオパタカ(約979億円)、中国本土が2.5%増の16.2億マカオパタカ(約213億円)、米国が88.4%増の5.5億マカオパタカ(約72億円)、EUが9.7%減の1.8億マカオパタカ(約24億円)。ポルトガル語圏諸国向けの輸出は8.7倍増の1230万マカオパタカ(約1.6億円)に。品目別では、非紡績商品が21.7%減の91.9億マカオパタカ(約1206億円)、紡績品・衣類は52.6%増の16.2億マカオパタカ(約213億円)。

 輸入品の原産地別では、EUが14.5%増の285.4億マカオパタカ(約3745億円)、中国本土が9.9%減の276.1億マカオパタカ(約3623億円)。輸入元別では、香港が8.2%増の763.8億マカオパタカ(約1兆0024億円)、中国本土が13.2%減の124.2億マカオパタカ(約1630億円)。品目別では、消費財が8.0%増の679.0億マカオパタカ(約8911億円)。このうち、コスメティック・スキンケア用品が1.7倍増の188.5億マカオパタカ(約2474億円)、腕時計が23.3%減の50.1億マカオパタカ(約657億円)、ゴールド製ネックレスが48.5%減の34.7億マカオパタカ(約455億円)、燃料・潤滑油が28.6%減の50.9億マカオパタカ(約668億円)、携帯電話が19.7%減の41.6億マカオパタカ(約546億円)、建築資材が20.1%増の20.5億マカオパタカ(約269億円)だった。

 昨年通期の対外商品貿易総額は前年同時期から0.4%増の1033.7億マカオパタカ(約1兆3566億円)。

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