マカオ、2022年1月のインバウンド旅客数は約69.4万人…対前年24.7%増、対前月15.4%減

 マカオ政府統計調査局は2月22日、今年(2022年)1月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年1月のインバウンド旅客数は前月から15.4%減、前年同月から24.7%増となる69万4430人(延べ、以下同)で、対前月では3ヶ月ぶりにマイナス。

 対前月のマイナス要因として、マカオに隣接する広東省珠海市及びその北に位置する中山市でオミクロン変異株の市中感染確認例が相次いだことを受け、水際措置が引き締めとなったことが挙げられる。

 内訳は、日帰り旅客が前年同月比56.5%増の45万0428人、宿泊を伴う旅客が9.3%減の24万4002人。日帰り旅客の割合は13.2ポイント上昇の64.9%に。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.3日短い1.3日。内訳は日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.4日延びて3.4日。

 今年1月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から29.4%増の64万2016人、全体に占める割合は92.5%。このうち個人旅行客が16万7771人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が41万2174人で、広東省珠海市が67.9%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万4380人、7896人。

 なお、昨年通期(1〜12月累計)のインバウンド旅客数は前年から30.7%増の770万5943人だった。ただし、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年との比較では8割超のマイナス。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、昨年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。昨年8月以降はマカオでも市中感染確認例の出現が複数あり、中国本土側でマカオからの入境者に対する隔離検疫を必要とする状況が生じた。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。1月初旬からはオミクロン変異株流入防止を目的に水際措置が一層強化されている。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区(資料)=2021年5月9日本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月28日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  2.  マカオ政府統計・センサス局が4月26日に公表した資料によれば、今年(2024年)3月の総合消費者…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun