中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は10省市区で90人…武漢市では企業研修クラスター出現、各地へ拡散懸念も=2/22

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月23日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月22日の中国本土における新規市中感染確認は90人(前日から31人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区47人(フフホト市39人、包頭市7人、バヤンノール市1人)、北京市10人(豊台区2人、通州区2人、経済開発区2人、西城区1人、朝陽区1人、海淀区1人、順義区1人)、遼寧省9人(葫芦島市)、広東省7人(深セン市)、四川省6人(成都市)、湖北省5人(武漢市)、江蘇省2人(蘇州市)、雲南省2人(紅河ハニ族イ族自治州1人)、黒竜江省1人(鶏西市)、山東省1人(青島市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは130日連続。市中の無症状感染例についても11日連続で出現し、湖北省5人(武漢市)、四川省5人(成都市4人、瀘州市1人)、江蘇省3人(無錫市2人、蘇州市1人)、広東省2人(広州市1人、深セン市1人)、雲南省1人(紅河ハニ族イ族自治州)の計16人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、1月上旬から中旬にかけて珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現。一旦は落ち着いていたが、深セン市で12日に6日ぶりとなる感染確認例が出現し、以降は22日まで11日連続。このところの深セン市における新規感染確認例は、先に出現した隔離検疫ホテルスタッフのオミクロン変異株によるクラスター関連が中心で、すでに濃厚接触者として隔離済みまたは重点検査対象の中から発見されているが、自主的に検査を受けたことをきっかけに発見に至った例もある。なお、同市の近日の市中感染事案の多くのがオミクロン変異株亜種BA.2(ステルスオミクロンとも称されるもの)とのこと。目下、市内の複数箇所に閉塞管理区域が設定されている。

 湖北省武漢市では、化粧品企業が実施した研修に参加した人と一部その家族が相次ぎオミクロン変異株感染確認された。研修は2月18〜20日にかけて実施され、66人が参加。このうち24人がすでに武漢市を離れており、武漢市当局が各地へ通知を行ったとのこと。北京市でも市内の多くの区で感染確認があったが、このうち複数人が別の省で開催された企業の研修に参加していたという。鉄道を使って北京へ戻った後、市内の飲食店や地下鉄、タクシーを利用していたこともわかったという。山東省青島市のケースも武漢の研修クラスター関連とされている。依然として連日多くの感染確認例が出現している内モンゴル自治区については、デルタ変異株が主とのこと。

 2月22日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1960人(うち輸入性が1020人)で、重症者は14人(うち輸入性2人)。無症状の患者703人(輸入性575人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では2月22日まで135日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月中旬以降は単日の感染確認数が4桁となる日が続き、公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面している。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでおり、マカオでも市中への流入リスクが高まってきたとして市民に対してワクチン接種を済ませるよう緊急の呼びかけがなされている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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