中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が3日連続2万人以下…上海市が約95%占め最多、高止まり続く=4/21

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認者数は2119人(前日から711人減)だったとのこと。内訳は、上海市1931人、吉林省63人、黒竜江省34人、江西省33人、浙江省15人、青海省10人、江蘇省7人、広東省5人、山西省3人、河南省3人、湖南省3人、海南省3人、陝西省3人、雲南省2人、北京市1人、河北省1人、福建省1人、四川省1人。このうち上海市の143人、吉林省の25人、江西省の24人、浙江省の4人、広東省の2人、福建省の1人、四川省の1人、陝西省の1人、青海省の1人の計202人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは188日連続、4桁となるのは41日連続。

 市中の無症状感染例は1万6383人(前日から169人減)。内訳は、上海市1万5698人、吉林省244人、江蘇省124人、河北省77人、黒竜江省56人、浙江省45人、江西省33人、安徽省28人、山東省23人、山西省16人、河南省14人、雲南省9人、広西チワン族自治区6人、遼寧省4人、青海省4人、福建省1人、広東省1人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは20日連続で、3日連続で2万人を下回った(1万8502人)。このうち上海市の報告数が1万7629人に上り、95.3%を占めた。

 4月21日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3万0813人(うち輸入性が218人)で、重症者は251人(輸入性はゼロ)。無症状の患者24万9507人(輸入性726人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。目下、何らかの封鎖等の制限が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、依然として新規感染例が高止まりする中、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。21日まで5日連続で複数の死亡例も報告されている。同市では、22日から「社会面清零」(隔離対象以外の一般市中におけるゼロコロナ)の早期実現を目指した9つのプランが実施されるという。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。一方、4月8日以降は省都の広州市で感染者の出現が相次ぐが、ほぼ白雲区にとどまっている。広東省各地では、省外からの流入防止に対する警戒が維持されている。

 マカオ特別行政区では4月21日まで193日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月21日までの累計は約118.8万人(無症状含む)、死亡者数は8999人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では21日まで7日連続1千人以下を維持。21日にはソーシャルディスタンス措置が一部緩和となった。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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