“営業距離世界最短”マカオの松山ロープウェイが約11ヵ月ぶり運行再開

 マカオ政府が運営する唯一の鋼索線「松山ロープウェイ(中国語表記:松山纜車)」が8月16日から約11ヶ月ぶりに運行再開となった。

 松山ロープウェイを管轄する市政署(IAM)の発表によれば、昨年(2021年)9月にメインケーブルの摩耗が見つかり、交換を必要とするため運休に入ったが、新型コロナ防疫措置の一環で厳格な水際措置が講じられていることを受け、欧州メーカーからの技術スタッフが予定通り到着できず、ようやく今年5月29日からメインケーブルの交換作業に着手できたとのこと。その後、試運転などを経て安全確保が確認されたことから、運行再開に至った。

 松山ロープウェイは、マカオがポルトガルから中国に返還される2年前にあたる1997年に営業運転を開始。マカオ半島北部の旧市街エリアにあるフローラ公園(二龍喉公園)内にある駅とマカオ半島で最も標高の高いギアの丘(松山または東望洋山)の山頂近くにある駅の間を結んでいる。営業距離はわずか186メートルで、ガイドブック等では「世界最短」として紹介されることも多い。

 乗車時間は片道約1分20秒。短い時間だが、眼下には色とりどりの花が咲き、美しい緑が広がるフローラ公園、手前には昔ながらの住宅街、奥には世界遺産が密集する歴史市街地区の美しい景観を望むことができる。ギアの丘にある世界遺産・ギア要塞へのアクセスにも便利とあって、観光客はもちろん、市民の間でも身近なレジャー施設として親しまれている。

 運行時間は午前8時から午後6時までで、毎週月曜日が運休(休日と重なる場合は翌火曜日が運休に)。運賃は片道券が2パタカ(日本円換算:約33円)、往復券が3パタカ(約49円)。

約11ヶ月ぶりに運行再開となったマカオの松山ロープウェイ(写真:IAM)

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