マカオ、グランドビューカジノのクローズ作業が滞りなく完了

 マカオの衛星カジノ施設のひとつで、タイパ島のグランドビューホテルに併設する「グランドビューカジノ(君怡娛樂場/Casino Grandview)」が(2025年)7月30日午後11時59分をもって営業を終了した。

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ、カジノ規制機関)は7月31日、グランドビューカジノのクローズ作業について、7月31日朝までに滞りなく完了したと発表。

営業終了後のグランドビューカジノにおけるゲーミングテーブルの運用停止手続きの様子=2025年7月31日(写真:DICJ)

 7月30日午後11時59分をもって正式に営業を終了した後、同局が全過程をコーディネートする中、同局によるゲーミングテーブルの運用停止手続き、また関連部門と緊密に連携しての退去を含む関連事項の対応など、法律に基づき、円滑に作業が進められたとのこと。

 また、政府労工事務局の職員が現場入りし、必要な従業員への説明や事後フォローアップのためのホットラインに関する情報提供を行い、治安警察局及び司法警察局の職員が施設内外における秩序維持にあたったという。

クローズ後のグランドビューカジノのエントランスの様子=2025年7月31日(写真:DICJ)

 衛星カジノとは、マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ事業者の所有ではない物件内(主にマカオ半島新口岸地区の中小規模のホテル内)にあり、フランチャイズのような契約形態で運営されるカジノ施設を指す。前月(6月)初旬、衛星カジノ全11軒(※)とスロット専門カジノ「モカクラブ」6店のうち3店が(2025)年末までにクローズすることが発表された。

 2023年1月1日に施行された改正娯楽場幸運博彩経営法律制度(通称「新カジノ法」)の規定により、カジノ施設はコンセッション事業者の所有する物件内に設置することが必須となったが、従来の形態で衛星カジノを運営できる過渡期が3年間(2025年12月31日まで)設けられ、以降に継続する場合は管理会社方式を採用し、衛星カジノオーナーは管理会社としてコンセッション事業者から施設の清掃や警備等に関する管理費のみを受け取れるが、カジノ運営に一切関与できず、いかなる方式でのレベニューシェアやコミッションの受け取りもできないとされた。2022年にかけて法改正手続きが進む中、もともと約20軒あった衛星カジノのうち一部が相次ぎクローズし、7月30日時点では11軒を残すのみとなっていた。

 グランドビューカジノは過渡期の満了を待たず早じまいのかたちとなったが、運営会社のSJMリゾーツ社は7月28日に発出したプレスリリースの中で、全体的な事業計画及び商業的な考慮に基づく判断とし、同施設に割り当てられていたゲーミング(カジノ)テーブルは同社傘下の別施設に再配置して引き続き稼働を継続することを明らかにしていた。

※11軒のうち2軒は直営方式に転換することでコンセッション事業者(SJMリゾーツ社)が継続意向を示している)

グランドビューカジノでは整然とクローズ作業が行われた=2025年7月31日(写真:DICJ)

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