マカオのカジノ運営企業、ディーラーらに無給休暇取得推奨=売上減で人件費圧縮か?

マカオのカジノ従業員労働組合FMGI(澳門博彩最前線)の関係者によると、マカオの一部カジノ運営企業がディーラー職及びカジノフロアで働くスタッフに対し、来年(2015年)3月までの間、最長2週間の無給休暇取得を推奨する通達を行ったという。

マカオの日刊紙「澳門日報」や月刊英字経済誌「マカオビジネス」など、複数のメディアが近日相次いで報じた。マカオのカジノ売上は今年6月から11月まで6か月連続前年割れとなっており、12月も厳しい状況にあるという。カジノ運営会社が売上減を理由に人件費圧縮によるコスト削減に手を付けたのではないかとして、大きな社会的関心事となっている。

無給休暇取得を推奨する通達が行われたとされるのは、メルコ・クラウン・エンターテインメント社が運営するシティ・オブ・ドリームズとMGMチャイナ社が運営するMGMマカオの2施設。通達には、強制ではないこと、有給休暇、福利厚生、賞与に影響を及ぼさないこと、人員配置及びオペレーションの変更に伴う暫定的な措置であることなどが明記されていたという。

マカオ政府労工事務局は12月27日、この件に関して緊急リリースを発表。カジノ運営企業側の通達は「提案」にあたり、従業員側が受け入れの可否を判断できるとの見方を示した。また、労働関係法の規定により、雇用主から従業員に対して一方的な無給休暇の取得を求めることはできないとした。発表時点では、カジノ従業員からの問い合わせや苦情は寄せられていないというが、疑問点などがある場合には、速やかに同局に連絡するよう呼びかけている。

マカオ政府統計調査局が発表した今年(2014年)第2四半期末の統計データによると、マカオのカジノ従業員数(カジノ仲介人、仲介協力者含まず)は5万7550人で、同時期のマカオの総人口62万4000人の約9.2%、7-9月の就業人口39万2100人の14.7%を占める。カジノ従業員のうち、およそ44.8%を占める2万5783人が現場の最前線で働くディーラー職。

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本紙撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)―本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ半島新口岸地区にあるカジノIR(統合型リゾート)サンズマカオ(澳門金沙)がきょう(5月18…
  2.  マカオ司法警察局は5月16日、マカオで商業ビルのレンタル会議室を宝飾品店に偽装し、マカオ人の男性…
  3.  香港金融管理局は5月17日、香港におけるデジタル人民元の実証実験範囲を拡大し、香港の携帯電話番号…
  4.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  5.  マカオ政府統計調査局は5月17日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の民間建築及び 不動産取引…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun