カジノIR大手ウィンマカオ、地元人材の管理職登用進む=占有率8割超、開業以来9年間で3倍増

外資系企業といえば、本国の親会社から派遣されたエクスパッツと呼ばれる駐在員が管理職ポジションを独占しているイメージが強い。マカオに6社あるカジノ経営ライセンス保有企業だが、地元資本といえるのは1社のみで、残る5社は米国系、香港系、米国や豪州企業との合弁となっている。6社の一角、米国系のウィンマカオでは、地元人材の管理職登用が進んでいるようだ。

米国ラスベガスに本社を置くカジノIR(統合型リゾート)大手ウィンリゾーツ社のマカオ部門にあたるウィンマカオのズレイカ・モック人事担当シニア・ヴァイス・プレジデントが4月30日に明かした内容によると、同社の旗艦カジノIR施設ウィンマカオが開業した2006年以降、管理職ポジションに就く地元マカオ人の数は3倍に増えたという。管理職ポジション数に占めるマカオ人の割合についても、2006年の58%から、直近では82%にまで上昇しているとのこと。ウィンマカオのマカオ人従業員数はおよそ7700人いるという。

ウィンマカオでは、2016年上半期にコタイ地区に新大型カジノIR施設ウィンパレスの開業を予定している。ウィンマカオは4月30日、新施設の開業に向け、同社でカジノ関連の業務に従事するマカオ人従業員を対象としたホテル管理人材育成プログラムの導入を発表した。モック氏によると、ホテルの飲食部門、営業部門といった非カジノ分野への配置転換、昇級機会を地元人材に提供する目的という。

日本でもカジノIR施設の導入議論が活発となっており、ウィンリゾーツを含む複数の米国系など外資系企業が進出意欲を持っていると報じられている。日本人が管理職として活躍できる環境となり得るかどうかにも注目すべきだろう。

2006年にウィンマカオの開業準備チームにマス・マーケティング・ダイレクターとして入社後、複数回の昇級機会を経て現在ヴァイス・プレジデントのポジションにまで出世を遂げたケネス・レイ氏(写真:Wynn Macau)

2006年にウィンマカオの開業準備チームにマス・マーケティング・ダイレクターとして入社後、複数回の昇級機会を経て現在ヴァイス・プレジデントのポジションにまで出世を遂げたケネス・レイ氏(写真:Wynn Macau)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun