マカオカジノ大手がポーカー専門コーナー新設=バカラ全盛も市場低迷で多様化模索か

カジノのテーブルゲームは複数存在するが、中国人ギャンブラーの間では駆け引き要素がなく、結果は運次第、勝負も早いバカラが圧倒的な人気を誇る。彼らを主要ターゲットするマカオのカジノでは、フロアの大半をバカラテーブルが占める。

マカオ政府のカジノ監理部門、博彩監察協調局(略称:DICJ)の統計資料をみると、今年(2015年)上半期のマカオのカジノ売上1216.45億パタカ(日本円換算:1兆8425億円)のうち、実に88.9%がバカラゲームによるものだ。

まさに、バカラ全盛といえる状況だが、マカオでカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角、ギャラクシーエンターテインメントグループは9月17日、同社の旗艦IR(統合型リゾート)施設、ギャラクシーマカオのメインカジノフロアに、ポーカー専門コーナー「パビリオン・ポーカー・ルーム(中国語表記:名人撲克)」を新たに開設した。

同社によると、複数のプロモーションとジャックポットを毎日提供するポーカーに特化した常設コーナーはマカオのカジノでは初の試みになるとのこと。

なお、マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年8月まで15ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜8月の累計カジノ売上は1588.82億パタカ(約2兆4065億円)で、前年同期比36.5%減。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

一方、マス(平場)は比較的安定しており、今年7月には、単月カジノ売上で初めてマスがVIPルームを上回った。市場の変化は一時的なものではなく、今後もマスへのシフトがさらに進むとみられることから、より幅広い集客を実現するため、今回のギャラクシーエンターテイメントグループのような、バカラ以外のゲームの充実を図るといった多様化を模索する動きが活発化することも予想される。

ギャラクシーマカオカジノ(第2期拡張部)のマスゲーミングフロア(資料)—本紙撮影

ギャラクシーマカオカジノ(第2期拡張部)のマスゲーミングフロア(資料)—本紙撮影

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