マカオ質屋博物館が入館無料に=16年1月から、伝統産業発展史の認知拡大図る

マカオの街を歩いていると、「押」や「按」という文字の入った看板を掲げ、宝飾品をずらりとショーケースに並べた質屋が多いのに気づく。

質屋はマカオで古くから栄えた産業のひとつで、昨今は中国本土からマカオを訪れるギャンブラーをメインターゲットとしているが、今日のような近代的銀行システムが整備される以前は、金融機関の役割を担うマカオの日常生活に欠かせない存在だったという。

マカオには質屋業をテーマにした世界的にも珍しい質屋博物館(典當業展示館)が旧市街エリアを東西に貫くメインストリート、新馬路に面した場所にある。1917年、当時マカオ最大規模の質屋としてオープンし、1993年に閉店した「徳成按」の店舗跡地を修復して2003年にミュージアムとなったもので、独特のセキュリティ対策を施した建築構造や、実際に使われていた什器や事務用品などの貴重な展示品の数々が見どころだ。

マカオ政府文化局は12月28日、現在は5パタカ(日本円換算:約75円)となっている質屋博物館の入館料を来年(2016年)1月1日から無料とすることを発表した。マカオの伝統産業発展史について認知拡大を図るのが目的とのこと。質屋博物館の所在地は澳門新馬路396號、開館時間は午前10時から午後7時まで(毎月第1月曜休館)。

マカオには、伝統産業及び文化・習俗、人物をテーマにした中小規模の専門ミュージアムが複数存在するが、目下、爆竹製造業、造船業に焦点を充てた施設の新設計画も進んでいる。

マカオの質屋博物館(典當業展示館)外観(写真:ICM)

マカオの質屋博物館(典當業展示館)外観(写真:ICM)


マカオの質屋博物館(典當業展示館)内観(写真:ICM)

マカオの質屋博物館(典當業展示館)内観(写真:ICM)

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