対マカオ新規直接投資66.7%減…15年=カジノ業のマイナス響く
- 2016/10/18 12:52
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は10月17日、昨年(2015年)の直接投資統計を発表。同年の海外(中国本土、香港、台湾含む)からマカオに対する新規直接投資額は前年比66.7%減の91億パタカ(日本円換算:約1183億円)だった。
同局では、大幅な下落の要因として、カジノ企業の利益減、かつ配当金額が当年利益を上回ったため、新規投資額が60億パタカ(約780億円)のマイナスとなったことを挙げた。
カジノ以外の主要業種の新規投資額については、銀行・証券業が78億パタカ(約1014億円)、ホールセール・リテール業が39億パタカ(約507億円)、建設業が24億パタカ(約312億円)で、いずれも前年から増加が見受けられた。
新規投資元の所在国・地域はのトップ3は中国本土の74億パタカ(約962億円)、香港の32億パタカ(約416億円)、英領ヴァージン諸島の28億パタカ(約364億円)。ケイマン諸島は65億パタカ(約845億円)のマイナスだった。
昨年の対マカオ直接投資による利益は前年比39.8減の515億パタカ(約6694億円)にとどまった。業種別では、カジノ業が47.5%減の301億パタカ(約3912億円)、ホールセール・リテール業が30.0%減の64億パタカ(約832億円)、銀行・証券業が17.8%増の108億パタカ(約1404億円)。
2015年末時点の対マカオ累計直接投資総額は前年比5.0%増の2318億パタカ(約3兆130億円)となっている。業種別では、カジノ業が4.8%減の1233億パタカ(約1兆6027億円)で全体の53.2%を占めた。カジノ業の投資元の49.5%がケイマン諸島。
なお、マカオ企業による在外累計直接投資は19.4%減の247億パタカ(約3211億円)で、投資先は香港が56億パタカ(約728億円)、中国本土が42億パタカ(約546億円)。投資元の業種別では、ゲーミング業によるものが22.9%減の198億パタカ(約2574億円)だった。
昨年の対マカオ直接投資海外企業数は2597社、在外直接投資先は64社。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2016年5月ー本紙撮影