マカオの悪質タクシー暗躍続く…ぼったくりと乗車拒否が主

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は4月6日、今年(2017年)3月の違反タクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。

今年3月の違反タクシーの検挙総数は前月から4件増の353件で、このうちぼったくりが8件減の179件、乗車拒否が35件増の81件あり、検挙数全体の73.6%を占めた。前月(2月)は3月より3日少ないことを考慮する必要もある。

なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。

ちなみに、昨年通期の違反タクシーの検挙総数は4152件、このうちぼったくりが1713件、乗車拒否が1413件あり、検挙数全体の75.3%を占めた。今年1〜3月累計の検挙総数は1291、ぼったくりと乗車拒否による検挙数は723件と359件で、いずれも昨年の月平均を上回っている。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数は1千台強にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3800円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は今年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。

また、今年1〜3月累計のいわゆる白タクの検挙総数は494件で、このうち432件が配車アプリを使ったサービスだったという。世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が一昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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