マカオ政府、11年連続で市民へ現金配布…7月から順次=支給額は5年連続据え置きの約12万円、カジノ税収潤沢で富の還元

カジノ税という潤沢な財源を抱えるマカオ政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。

5月3日のマカオ行政会において、今年度(2018年度)の現金配布計画に関する法案の審議がまとまった。11年連続実施となる今年度の支給対象は2017年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権保有者)及び非永久性居民(臨時居留権保有者)IDカードの保有者で、支給金額は前者が9000パタカ(日本円換算:約12.2万円)、後者が5400パタカ(約7.3万円)。7月上旬から9月中旬にかけて小切手あるいは銀行振込で支給される。

支給金額は2008年から2013年までは増額が続いたが、以降、歳入のおよそ8割を占めるカジノ税の計算根拠となるカジノ売上の下落を受け、2014年以降は5年連続で据え置きとなった。なお、マカオの月次カジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、同年8月から今年4月まで21ヶ月連続で対前年プラスを維持している。

今年度の支給対象者数は永久性居民が前年から2.8%増の65万6772人、非永久性居民が14.0%減の5万3280人の計71万0052人で、現金配布計画実施にかかる予算は1.9%増の61億6866万パタカ(約833.3億円)が見込まれている。

マカオ政府は、現金配布のほか、政府による個人年金口座への資金注入、医療クーポン券の配布、家庭用電気料金及び上下水道料金の補助、所得税減税、バス運賃の割引、不動産税の軽減といった施策についても継続実施する方針を示している。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

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