マカオ、職務質問受け密航発覚の中国人が警察官に現金渡し買収図るも失敗…逃走図るも御用

 マカオ治安警察局は12月17日、密航者の中国本土出身の30代の男を警察官に対する贈賄などの疑いで逮捕したと発表。

 警察発表によれば、同月14日に警察官2人がタイパ島の観光名所として知られるタイパヴィレッジにある排角休憩区付近をパトロール中に挙動不審な男を発見し、職務質問を行なったところ、男は身分証を提示することができず、おもむろにポケットの中から1000香港ドル(日本円換算:約1.4万円)紙幣を取り出して警察官に差し向け、「今回は見逃してほしい」などと持ちかけたとのこと。警察官がこれを拒否し、男の身柄を警察署へ移送すべくパトカーに載せようとしたところ、男が突然反抗し、警告を無視した上で警察官1人を押しのけて逃走を図ったが、警察官が追跡して付近で取り押さえることに成功。取り押さえるためもみ合いとなった際、警察官2人が腕、手、足など複数箇所を負傷したという。

 男は警察の調べに対し、2014年にマカオを訪れた際にオーバーステイ状態となったため、密航でマカオを離れたという過去があり、正規のルートで入境できないと思い、今年(2019年)11月下旬に友人を介して8000人民元(約12.5万円)を支払って密入境の手配を依頼し、モーターボートに乗ってマカオに到着した後、カジノでギャンブルをやっていたと供述した上、警察官に対する贈賄と反抗についても素直に認めたとのこと。警察では、男を傷害、警察官に対する反抗と脅迫、贈賄などの罪で送検する方針。

警察官に対する贈賄などの罪で送検される中国本土出身の密航者の男(写真:マカオ治安警察局)

 近年、マカオでは主に中国本土からの密航事案の摘発が相次いでいる。マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

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