マカオ、カジノディーラーと客に扮した仲間が組み不正行為繰り返す…配当を盛る手口で少なくとも78回

 マカオ司法警察局は1月23日、不正行為によりカジノ運営企業をに損失を与えたとして、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノに勤務するマカオ人のカジノディーラー職の女(52)とその仲間で香港人の無職の女(47)の2人を業務上横領罪で逮捕、送検したと発表。

 警察発表によれば、1月21日にカジノ運営会社の監視部門から「1人のディーラーが1人のギャンブラーと組んで不正な配当を出している」との通報があったことから、警察官を現場に急行させて調査を行い、その結果、2人を逮捕するに至ったという。

 調査の過程で、監視カメラで録画されていた映像にギャンブラーがベットして勝った際、不正に配当を盛る行為が確認されたとのこと。1月18日から21日までの間に、同じ手口で少なくとも78回にわたって不正が行われ、カジノ運営企業の被害額は現時点で判明しているものだけで約8.9万香港ドル(日本円換算:約125万円)に上るとした。

 ギャンブラーは警察の調べに対して非協力の姿勢をみせているが、ディーラーはギャンブラーとカジノでの業務中に知り合い、金欠だったことからギャンブラーからの誘いに乗って犯行に手を染め、報酬としてすでに3万香港ドル(約42万円)を手にしたなどと供述しているとのこと。また、、逮捕時にギャンブラーは犯行を通じて得たものとみられる1万6500香港ドル(約23万円)の現金と2万0600香港ドル(約29万円)分のゲーミング(カジノ)チップを所持していたという。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約141万円)以上の高額チップも存在する。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

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