マカオ、コロナ禍で失業率上昇続く…20年5〜7月期は2.7%=地元雇用優先政策により海外労働者の減少も

 マカオ政府統計調査局は8月27日、今年(2020年)5〜7月期の雇用統計を公表。総体失業率は2.7%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は3.8%で、前回調査(4〜6月期)から前者が0.2ポイント(pt)、後者が0.3ptのそれぞれ上昇だった。不完全雇用率は0.1pt下落の3.3%。

 今年5〜7月期の労働人口は40.65万人、労働参加率は70.5%。このうち、就業人口は前回調査時から6500人減の39.54万人で、海外労働者の減が主要因。マカオ居民に限ると1600人減の27.77万人。

 前回調査時との比較における主要業界別の就業人数の動向については、カジノ・カジノ仲介業が3.3%減の7.96万人、卸売・リテール業が4.5%減の4.49万人、建設業が1.0%増の4.14万人、ホテル業が5.3%減の2.90万人、飲食業が3.2%減の2.20万人だった。

 失業人口は前回調査時から1000人増の1.11万人。初めて職探しをする新増労働力の占める割合は3.7pt上昇の9.2%。求職中の失業者のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業と飲食業に従事していた人の割合が多かった。

 不完全就業者数は400人減の1.35万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業、建設業、ホテル業の占める割合が大きかった。

 前年同時期との比較では、総体失業率が0.9pt、不完全雇用率が2.8pt、労働参加率が0.2ptのそれぞれ上昇。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)は同日、政府として就業市場を注視しており、地元マカオ人の雇用維持と優先就業を確保するため、海外労働者数を適宜コントロールしていると発表。7月末時点の海外労働者総数は18万3219人で、前年同時期から7972人、前年末からは1万3319人減だったとのこと。

 マカオでは今年1月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫対策の一環として入境制限が講じられたことを受け、インバウンド旅客数が激減。インバウンド依存度の高い国際観光都市マカオの経済は大きなダメージを受けている。8月中旬から9月末にかけて、中国本土からの観光旅行が段階的に再開することから、経済回復のきっかけになると期待されている。昨年のマカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は約7割だった。

マカオ政府労工局の就業支援サービスカウンター(写真:DSAL)

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