第67回マカオグランプリの開催期間が1日減の3日間に…異例の4大看板レースなし

 1954年にスタートした歴史あるモータースポーツの祭典、マカオグランプリ(マカオGP)。市街地の一般道路を転用した全長6.2kmの「ギアサーキット」を舞台に毎年11月中旬の4日間にわたって開催されている。

 目下、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続いているが、今年の第67回大会の開催は決定している。

 大会を主催するマカオ政府体育局は11月4日午後の記者会見で、第67回大会の開催期間を当初予定から1日短縮し、3日間(11月20〜22日)とすることを発表した。

 今年9月の概要発表時点では6〜7種のレースを開催するとしていたが、今回の会見では結果的にレースは5種になったことを明らかにし、スケジュールを調整したとのこと。

 開催レースは「フォーミュラ4(F4)グランプリ」、「マカオGTカップ」、「マカオギアレース(ツーリングカー)」、「マカオツーリングカーカップ」、「グレーターベイエリアGTカップ」の5種で、二輪車の「第54回マカオモーターサイクルグランプリ」はキャンセルとなった。

 フォーミュラカーによるレースのカテゴリーは例年F3だが、今大会ではF4に。また、ツーリングカーとGTカーのレースについても、それぞれWTCR、GTワールドカップではない。モーターサイクルグランプリを含め、マカオグランプリの4大看板レースと称されるレースがゼロという異例の大会となる。

 目下、マカオでは新型コロナの外からの流入を防ぐため厳格な水際措置が講じられている。マカオ政府衛生局が11月2日に発表した内容によれば、体育局から提供を受けた情報として、海外からマカオグランプリに参戦予定の選手とスタッフの数は37人とのこと。防疫規定に則り、マカオ到着後14日間の隔離検疫を受けることが必須で、隔離検疫期間中に核酸検査を2度実施し、いずれも陰性だった場合のみ参加が認められることになっている。

 今回の記者会見で、海外から参戦する外国籍の選手は英国人1名(ハフ選手)のみということも明らかにされた。同選手はマカオギアレースで9回の優勝歴を誇る。すでにマカオへ到着し、現在は隔離検疫期間中とのこと。今大会に出場を予定している選手は95人で、中国本土と香港、マカオの選手が主という。

 このほか、観客席の総数は開催期間の短縮に加えてソーシャルディスタンス確保のための調整を受けて当初予定の1.4万席から1万席に、大会実施にかかる予算についても2.7億マカオパタカ(日本円換算:約35億円)から2.2億円(約29億円)にそれぞれ下方修正したとのこと。

 体育局では、今大会も一貫してFIA(国際自動車連盟)のサポートを受けており、大会の準備は順調に進んでいるとした。

 マカオでは、11月3日まで130日にわたって新型コロナウイルス感染確認ゼロが持続している。輸入性症例に限ると実に218日連続。厳格な防疫措置の下、封じ込めに成功している。マカオ政府では、マカオグランプリを含めた秋の一連のイベントをパッケージ化し、主に往来制限が緩和された中国本土からの旅客誘致を図りたい意向。

第67回マカオグランプリの最新状況について説明するマカオ政府体育局の潘永権局長=2020年11月4日(写真:マカオ政府旅遊局/体育局/衛生局)

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