ネット通販で買った偽チップをマカオのカジノで現金化…中国本土出身の男逮捕

 マカオ司法警察局は1月12日、マカオ半島中区にあるカジノ施設で偽造チップを使用して正規のチップに両替した上で換金したとして中国江蘇省出身の自称無職の男(51)を逮捕したと発表。

 同局によれば、昨年(2020年)10月26日にカジノ施設から場内で大量の額面5000香港ドル(日本円換算:約7万円)の偽造チップが見つかったと通報が寄せられたとのこと。カジノ施設側が確認したところ、偽造チップは複数のゲーミングテーブルで24枚、キャッシャー(チップ交換所)で9枚、4人のギャンブラーの手元で5枚の計38枚発見され、合計19万香港ドル(約255万円)分に上った。4人のギャンブラーは配当などで偶然手にしてしまったもので、被害者にあたるという。

 通報を受けた警察が場内の監視カメラ映像の分析などを進めた結果、通報があった日の午前、2人の男が複数のゲーミングテーブルで正規の小額チップへの両替を繰り返した上、キャッシャーで現金化していることが判明。被疑者の身元の割り出しにも成功。

 その後、被疑者2人は一旦マカオを離れていたが、1人が1月8日に再度マカオ入りしていたことが確認されたとのこと。11日に前回とは別のカジノ施設に入場した際、警察官が身柄を確保。被疑者の所持品の中からチップの偽造防止加工として使われるレーザータグ2枚が見つかった。

 被疑者は警察の調べに対し、偽造チップは中国本土のネット通販で150枚を6万人民元(約97万円)で購入したなどと説明。ただし、レーザータグの来歴と用途については供述を拒否しているという。警察では、レーザータグの分析を行うとともに、もう1人の逃走中の男の行方を追っているとした。

 なお、昨年10月に使用された偽造チップは肉眼で真贋判断するのが困難な精巧な造りだったという。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約134万円)以上の高額チップも存在する。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

警察が証拠品として公開した偽造チップ(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  リード・エグジビションズ社は9月26日、アジアにおけるゲーミング(カジノ)・エンターテインメント…
  3.  マカオ治安警察局は9月25日、ドリンクを購入する際に高額紙幣を出し、店員を急かして混乱させる手口…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)などを運営するSJMリゾーツは9月25日、台湾のIam Creat…
  5.  イタリアの老舗ラグジュアリージュエリーブランドとして世界的に知られる「ブチェラッティ(Bucce…

ピックアップ記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営大手のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は…
  3.  香港とマカオの間をおよそ1時間で結ぶ高速船「ターボジェット」及び「コタイウォータージェット」を運…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年10月号
(vol.124)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun