マカオが台湾からの入境者に対する水際措置を一層強化…フライト出発前24時間以内の新型コロナPCR検査陰性証明が必須に

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 世界各地における変異株ウイルスの出現や、マカオに近接し往来も頻繁な広東省及び多くのマカオからの留学生が滞在する台湾における再流行を受け、このところマカオでは水際措置の強化、域内における防疫措置の引き締めが進んでいる。

 マカオ政府衛生局は6月18日午後の政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる合同記者会見において、同月21日午前0時以降、台湾からの入境者に対して、マカオ行きフライト出発予定時間前24時間以内に受検した新型コロナPCR検査の陰性証明の所持を必須とする措置を新たに講じるとした上、偽造証明を提示した場合には刑事責任を追うことになるとの注意を加えた。また、政府旅遊局は台湾における流行状況を鑑み、隔離検疫用ホテルの管理体制を整える必要があるため、台湾からのマカオ居民以外の入境者については、コロアン島にあるグランドコロアンリゾートホテルに限定し、台湾でマカオ行きフライトの搭乗手続きを行う際にホテルの予約確認書の提示を必須とし、別のホテルの予約をしている場合は変更が必要になるとした。マカオ居民以外の場合、隔離検疫用ホテルの滞在費用は自己負担。

 マカオ政府は6月11日から直近21日間に台湾滞在歴のある入境者に対し、マカオ到着後21日間の隔離検疫に加え、隔離検疫期間満了後7日間の自己健康管理期間を設定する措置を講じている。自己健康管理期間中は「健康コード」(衛生局の特設サイトで直近の渡航歴や健康状況を申告することで生成される2次元バーコード)が「黄色」となり、厳格な個人防疫措置を講じることが求められるほか、公共交通機関の利用などが制限される。入境後27日目にPCR検査を受ける必要があり、結果が陰性であれば自己健康管理期間が解除となり、健康コードも出入り制限などがない「緑色」に変更となる。

 今月に入って以降、マカオにおける輸入性感染確認例は2例(6月18日=第53例、6月9日=第52例)あり、いずれも台湾からの入境者だった。

 目下、マカオにおける隔離検疫期間は入境前の滞在地によって、14日間、21日間、28日間となっている。また、入境前の滞在地によっては、隔離検疫期間満了後の14日間あるいは7日間についても自己健康管理期間が設定される。台湾の場合、5月16日から隔離検疫期間が14日間から21日間に延長となり、6月11日から自己健康管理期間が追加、さらに6月21日からは陰性証明の有効期限が短縮され、水際措置が相次いで厳格化されている。

 6月18日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計53人。内訳は域外からの輸入性が51人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は446日連続ゼロと封じ込めに成功している状況で、水際措置及び域内における防疫措置が機能しているといえる。院内感染、死亡例についてもゼロ。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる合同記者会見=2021年6月18日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun