中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は53人…すべて内モンゴル自治区フルンボイル市、4日連続2桁台=12/1

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、遼寧省の沿岸部に位置する大連市など各地で同時多発的な市中感染が出現。直近では、11月25日に上海市で3人の市中感染確認例があり、デルタ株感染だった。28日には内モンゴル自治区で再び多くの市中感染確認例が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が12月2日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月1日の中国本土における新規市中感染確認は53人(前日から38人減)だったとのこと。前日に続いて、すべて内モンゴル自治区のフルンボイル市で確認されたケース。中国本土で市中感染確認例が出現するのは47日連続。市中の無症状感染例については2日連続で出現し、内モンゴル自治区フルンボイル市で1人だった。

 12月1日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は906人(うち輸入性が415人)で、重症者は7人(輸入性2人)。無症状の患者441人(輸入性380人)が医学観察下にあるとのこと。10月中旬以来の再流行が落ち着いたが、近日の内モンゴル自治区における情勢の変化を受けて、再び感染確認者数に占める市中感染患者が過半数となっている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。初期に出現した内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたことから、省区を越えて波及した。このほか、時期を同じくして別の輸入性感染例から市中感染につながった異なる伝播チェーンが各所で出現。一連の再流行は全国21の省市区へ拡大し、その範囲、感染確認数とも年初来最大規模となったものの、マカオ特別行政区、香港特別行政区と陸で接する広東省には波及しなかった。なお、11月15日に単日の新規感染確認数が10月中旬に中国本土各地で再流行がスタートして以来の最少となり(11人)、以降は27日まで12日連続で1桁台を維持したが、28日に途絶え、12月1日まで3日連続で2桁台に。10月中旬以来の単日最少新規感染確認数は11月24日に記録した2人。広い範囲での再流行はすでに終息に至った模様だが、近日出現した内モンゴル自治区の一部における新たな散発的流行の行方が気がかりだ。

 このほか、マカオ特別行政区では12月1日まで53日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同54日連続ゼロを維持した。具体的なスケジュールや条件等は未公表だが、中国本土、香港、マカオの三地間で隔離検疫免除の相互往来を再開する準備が進められており、本件に関してオミクロン変異株の出現による影響はないとされる。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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