中国本土、新型コロナ新規市中感染確認163人…天津市と河南省が主、広東省でも連日オミクロン株市中感染例出現=1/16

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月17日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月16日の中国本土における新規市中感染確認は163人(前日から98人増)だったとのこと。2日ぶりの3桁台に。内訳は天津市80人(津南区79人、東麗区1人)、河南省68人(安陽市60人、許昌市7人、鄭州市1人)、広東省9人(珠海市5人、深セン市2人、梅州市1人、中山市1人)、陝西省5人(西安市)、広西チワン族自治区1人(崇左市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは92日連続。市中の無症状感染例については8日ぶりにゼロだった。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、香港と接する深セン市で断続的に市中感染例が出現しているほか、近日ではマカオと接する珠海市と同市の北隣にある中山市でオミクロン変異株感染例の出現が相次ぐ状況。珠海市と中山市の事案は関連性があるが、発端については不明とされている。天津市と河南省の安陽市では1月初旬からオミクロン変異株の市中伝播が続いている。天津市から河南省安陽市へ流出したものとされるが、天津市における発端は不明。一方で、昨年12月以降に累計およそ2000人規模の感染確認例が出現した西安市では沈静化に向かっている状況。

 1月16日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3494人(うち輸入性が1286人)で、重症者は15人(輸入性ゼロ)。無症状の患者742人(輸入性692人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。中国ではまもなく人の流動が活発化する春節シーズンを迎えるため、当局が拡散防止を目的とした各種防疫措置を打ち出している。

 このほか、マカオ特別行政区では1月16日まで99日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年末から直近にかけて航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン変異株の伝播チェーンが複数出現し、市中における陽性者の確認が連日続いている。16日には感染経路不明のデルタ株感染例も新たに出現。昨年5月末に流行第4波が終息して以降、落ち着いた状態が続いていたが、すでに第5波が始まっているとされ、各種防疫措置が一気に引き締めとなるなど緊張が高まっている。広東省中山市及び珠海市でオミクロン変異株の市中感染確認例が相次ぎ出現したことを受け、マカオでも両市における状況の変化に応じて水際措置の調整(強化)が進むなど、流入に対する警戒が高まっている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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