香港、新型コロナ新規市中感染確認77人…大半がオミクロン株、感染経路不明は15人=1/30

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。

 中でも、隔離検疫ホテル交差感染に端を発した伝播については、新界南西部の葵涌地区にあるマンモス団地「葵涌邨」(全16棟、約3万人居住)の住民及び訪問者等の間で感染者の出現が相次ぎ、累計感染者400人超の大規模なクラスターへと発展した。

 香港衛生当局の発表によれば、1月30日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は81人で、内訳は市中が77人(感染経路不明15人)、輸入性(海外からの入境者)が4人。これとは別に初歩感染確認が約70人いるとのこと。

 市中感染確認のうち62人が既知の伝播チェーン上にあり、9人がデルタ変異株感染疑い、その他の大半がオミクロン株疑い。葵涌邨絡みはゼロだった。感染経路不明の15人は、オミクロン変異株感染疑いが10人、デルタ変異株感染疑いが4人、未判別が1人。

 目下、香港では市中で出現した陽性者及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めなどの策も講じられている。香港では間もなく春節(旧正月)を迎えるが、当局では、感染経路不明の事案が多く存在する状況下、流行拡大を防ぐため、複数の家族が参加する会合は避けるよう呼びかけている。

 なお、昨年12月22日及び今年1月7日にオランダから輸入されたハムスターが第5波におけるデルタ変異株伝播チェーンの発端と発覚したことを受けて、ハムスターを取り扱うペットショップがすべて一時営業休止となっていたが、当局の検査で安全が確認されたことを受けて、30日から5店舗を除き営業再開が可能となった。

 このほか、香港の1月29日午後8時時点のワクチン接種率は79.2%(1回目の接種完了)、71.3%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したなどを受けて、年初から上昇傾向が続いている。

ランタオ島・東涌地区にある特定のマンション1棟の住民を対象とした強制検査の様子=2022年1月29日(写真:news.gov.hk)

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