中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は5省市で40人…オミクロン株市中伝播出現の杭州市が主=1/30

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月31日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月30日の中国本土における新規市中感染確認は40人(前日から14人減)だったとのこと。内訳は浙江省24人(杭州市)、天津市11人(河北区8人、浜海新区3人)、北京市3人(豊台区2人、朝陽区1人)、黒竜江省1人(牡丹江市)、河南省1人(汝州市)。このうち河南省の1人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは107日連続。市中の無症状感染例についても14日連続で出現し、黒竜江省チチハル市で4人。

 1月15日以降、北京市ではオミクロン変異株とデルタ変異株の市中陽性者が相次ぎ出現しており、それぞれ国際郵便物と輸入コールドチェーン(低温物流)物品に付着したウイルスが発端とみられる。1月15日から30日までの累計感染者数は100人超に上るが、大半がコールドチェーン絡みのデルタ変異株感染で、近日は制限域内での出現にとどまっていることから、コントロール可能な状況に至ったとみられる。近日感染確認例が相次ぐ浙江省杭州市では、オミクロン変異株の伝播が出現しており、市外からもたらされた物品に付着したウイルスが発端とされる。天津市では、1月初頭から津南区を中心に比較的規模の大きなオミクロン変異株の市中伝播が出現したが、近日は落ち着いていた。近日の新規感染確認例は別の区で出現しているもので、津南区では31日に全面ロックダウン解除となる見通し。

 1月30日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1937人(うち輸入性が868人)で、重症者は10人(うち輸入性1人)。無症状の患者812人(輸入性687人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。目下、人の流動が増える春節(旧正月)の帰省シーズンを迎えており、各地で流出、流入への警戒が高まっている。

 このほか、マカオ特別行政区では1月30日まで113日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈し、感染経路不明のケースも依然数多く存在する中、各種防疫措置が引き締め、延長となるなど緊張状態が続いている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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