中国本土、新型コロナ新規市中感染確認27人…深セン市では3週間ぶり=1/31、五輪関係の陽性者は累計176人に

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月1日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、1月31日の中国本土における新規市中感染確認は27人(前日から13人減)だったとのこと。内訳は浙江省13人(杭州市)、天津市7人(河北区4人、紅橋区2人、津南区1人)、河北省4人(衡水市)、北京市2人(朝陽区1人、豊台区1人)、広東省1人(深セン市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは108日連続。市中の無症状感染例についても15日連続で出現し、北京市豊台区で1人。

 1月15日以降、北京市ではオミクロン変異株とデルタ変異株の市中陽性者が相次ぎ出現しており、それぞれ国際郵便物と輸入コールドチェーン(低温物流)物品に付着したウイルスが発端とみられる。1月15日から31日までの累計感染者数は100人超に上るが、大半がコールドチェーン絡みのデルタ変異株感染で、近日は制限域内での出現にとどまっている。近日、感染確認例が相次ぐ浙江省杭州市では、オミクロン変異株の伝播が出現しており、市外からもたらされた物品に付着したウイルスが発端とされる。香港と陸で接する広東省深セン市では、およそ3週間ぶりに新規市中感染確認例が出現した。患者は同市の北隣にある東莞市在住で、深セン市へ自家用車で通勤。深セン大学附属華南医院訪問歴があったとのこと。感染経路は判明しておらず、疫学調査及びウイルスゲノム解析が進められているという。

 1月31日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1884人(うち輸入性が856人)で、重症者は10人(うち輸入性1人)。無症状の患者814人(輸入性693人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕を迎える北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が1月31日までに発表した情報などを総合すると、1月23日以降の五輪関係者の累計陽性者数は176人に。香港メディアの報道によれば、欧州から1月30日に空路北京入りした香港代表選手の1人が到着時の検査で陽性となり、同行のコーチと別の選手1人が密接接触者に認定されたという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。中国本土では、1月31日から7日間の春節(旧正月)ホリデーがスタートした。人の流動が増える旅行、帰省シーズンにもあたり、各地で流出、流入への警戒が高まっている。

 このほか、マカオ特別行政区では1月31日まで114日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈し、感染経路不明のケースも依然数多く存在する中、各種防疫措置が引き締め、延長となるなど緊張状態が続いている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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