中国本土、新型コロナ新規市中感染確認36人…広東省で新たなオミクロン株伝播出現、深センから省内各地へ拡散か=2/1

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が2月2日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月1日の中国本土における新規市中感染確認は36人(前日から9人増)だったとのこと。内訳は浙江省15人(杭州市)、天津市12人(河北区6人、浜海新区4人、河東区2人)、広東省6人(深セン市2人、恵州市1人、梅州市1人、河源市1人、雲浮市1人)、北京市2人(豊台区)、河北省41人(衡水市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは109日連続。市中の無症状感染例についても16日連続で出現し、広東省で4人(雲浮市3人、深セン市1人)。

 1月15日以降、北京市ではオミクロン変異株とデルタ変異株の市中陽性者が相次ぎ出現しており、それぞれ国際郵便物と輸入コールドチェーン(低温物流)物品に付着したウイルスが発端とみられる。1月15日から2月1日までの累計感染者数は100人超に上るが、大半がコールドチェーン絡みのデルタ変異株感染で、近日は制限域内での出現にとどまっている。近日、感染確認例が相次ぐ浙江省杭州市では、オミクロン変異株の伝播が出現しており、市外からもたらされた物品に付着したウイルスが発端とされる。香港と陸で接する広東省深セン市では、1月31日におよそ3週間ぶりとなる新規市中感染確認例が1人出現。2月1日に同市及び省内各地で複数の感染確認及び無症状感染が出現したが、いずれも最初の患者の密接接触者など重点検査対象者で、同一伝播チェーン上にあるものとされる。深セン市当局は1日、ウイルスゲノム解析の結果、最初の患者がオミクロン変異株感染だったことが判明したと発表。ただし、これまでの中国本土の感染例及び同市における海外からの輸入性感染例の型とは異なり、北米地域からデータベースに報告されたものと完全一致したとのこと。流入の経緯などについて調査が進められている模様。

 2月1日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1802人(うち輸入性が809人)で、重症者は9人(うち輸入性1人)。無症状の患者810人(輸入性688人)が医学観察下にあるとのこと。

 なお、2月4日に開幕を迎える北京冬季五輪の関係者については、バブル方式(閉塞管理)が採用されている。組織委員会が2月1日までに発表した情報などを総合すると、1月23日以降の五輪関係者の累計陽性者数は200人。前日からは24人増で、このうち16人が選手及び選手団随行メンバーという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。中国本土では、1月31日から7日間の春節(旧正月)ホリデーがスタートした。人の流動が増える旅行、帰省シーズンにもあたり、各地で流出、流入への警戒が高まっている。

 このほか、マカオ特別行政区では2月1日まで115日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈し、感染経路不明のケースも依然数多く存在する中、各種防疫措置が引き締め、延長となるなど緊張状態が続いている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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